2018.10.31
お役立ち情報
保育士さんも知りたい!赤ちゃんや乳幼児の行動とその理由
赤ちゃんは言葉が話せないため、その行動を注意深く見守る必要があります。赤ちゃんの行動の意味を理解しておけば、保育士さんにとっても保育業務の手助けになるだけでなく、園児さんの成長を実感しやすくなります。この記事では保育園・こども園の乳幼児さん・赤ちゃんによく見られる行動をまとめてみました。
乳幼児の発育過程で見られる行動
赤ちゃんの行動には、意識や感情に左右されないものもあります。脳や身体が成長しているサインとして見守ってあげましょう。
身体に触れたものに反応する「反射」行動
生後1ヵ月未満のお子さんによく見られる反応です。赤ちゃんの手に指を置くと握り返してきますね。他にもほっぺたに触れると頭を動かしたり、唇にあたった指などを吸おうとしたりします。こういった行動に赤ちゃんの意識は関係なく、赤ちゃんが身体に触れた感覚に反応しているにすぎません。
身体の発達からくる行動
代表的なものが「ブリッジ」「飛行機」です。人には身体を「曲げる筋肉」と「伸ばす筋肉」があり、生後5~6ヵ月にさしかかると「伸ばす筋肉」が発達します。意味があってやる、というよりは成長の過程で身体を反らしたほうが楽になるんですね。
経験と学習のための行動
自分の身体を認識するための行動
反射に慣れてきた赤ちゃんは、身体に触れて自分の身体のパーツを認識するための行動に出ます。たとえば下記のような行動です。
・自分の足をなめる
・自分の手や足を合わせる
・口に指を入れる
足をなめたり手を合わせたりするのは、自分の身体を認識したり、思い通りに動かせるかを試したりしています。保育士さんにとっては、赤ちゃんがきちんと身体を動かすことができているという成長のサインとして見ることができます。
・自分の足をなめる
・自分の手や足を合わせる
・口に指を入れる
足をなめたり手を合わせたりするのは、自分の身体を認識したり、思い通りに動かせるかを試したりしています。保育士さんにとっては、赤ちゃんがきちんと身体を動かすことができているという成長のサインとして見ることができます。
“モノ”を認識するための行動
生後4ヵ月を過ぎると、身の回りにある”モノ”に関心が広がっていきます。視線をあちこちに向け、手を伸ばして物を掴むようになります。手にとったところで物の正しい扱い方は分かっていないので、なんでも口に入れたり急に放り投げたりといった行動を取ることも。口に物を入れさせるのは不衛生なうえ誤飲の恐れがあるので止めるべきですが、赤ちゃんにとっては大事な学習のための行動。口に入れようとする物を取り上げる代わりに、変わった感触のおもちゃを持たせたり、口に入りきらないサイズの物を渡したりして学習をサポートしてあげてください。
感情や状態を表す行動
感情を表す代表的な行動は「泣く」ことですが、下記のような行動も、実は感情や状態を表しています。
頭をかく
赤ちゃんは眠たいときに自分の頭をかくことがあります。授乳中にも頭をかくのは、ミルクを飲んでホッとして眠たくなっているのでしょう。頭をかくのは心を落ち着かせるためだと言われていますので、やさしく頭をさすってあげてください。
首をふる
首をふるのは楽しいときもそうでないときもあります。単純に首をふる動作が楽しい場合、首をふったときの視界が楽しい場合、もしくは今させられていることをやりたくない場合があります。首ふり後の行動と表情を見て気持ちを読み取ってあげてください。
わざと”悪いこと”をしているような行動
赤ちゃんがわざと悪いことをしているように見えることはありませんか?何度も物を落としたり投げたりする行動です。これらは学習行動の一部で、赤ちゃんが行動の原因と結果を、反復によって学んでいるのです。物を手放すと落ちる、もう一度手放すと落ちるのか、次も同じ動きになるのかを実験しています。
・本棚の本を何度も散らかす
・音が鳴る遊具をずっと鳴らしている
なども同じ理由です。
決して悪いことをしようとしているわけではないので、辛抱強く赤ちゃんがさまざまな実験をする手助けをしてあげてください。
・本棚の本を何度も散らかす
・音が鳴る遊具をずっと鳴らしている
なども同じ理由です。
決して悪いことをしようとしているわけではないので、辛抱強く赤ちゃんがさまざまな実験をする手助けをしてあげてください。
上記で説明してきた赤ちゃんの不思議な行動は、成長の過程で見られる反応と、経験による学習、感情を表すものがあります。保護者の方も、赤ちゃんの行動に疑問を持っているかもしれません。その日、赤ちゃんがとった行動とその意味をセットでご報告できれば、保護者の方もお子さんの成長の実感と安心が得られるのではないでしょうか。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。