2019.01.09
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保育士にとって大切な保育の5つの領域:五領域とは?
保育士さんは保育所保育指針に則って子どもたちを指導する必要があります。この保育所保育指針には幼児教育の基礎が記載されていますが、中でも保育におけるポイントを5つにまとめた五領域はとても重要です。今回は、この保育の五領域を構成する「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」のそれぞれのねらいと指導内容について解説します。
保育の五領域その一「健康」
五領域における健康とは身体の健康だけではなく、心の健康も含まれます。子どもたちに「心身ともに健康的な生活習慣」を習得させることを目的としています。
具体的な指導内容
着替え、食事、排泄、病気の予防などを自分で行えるようになってもらいます。病気を例に挙げると、「外から帰ったら、うがいと手洗いをする」「ご飯を食べたら歯磨きをする」というように風邪や虫歯を予防するための習慣が身につくように指導します。また「信号を渡る時は車に注意する」といった交通ルールや刃物であるハサミの使い方を教えることなども、ケガを予防するといった観点からこの健康の指導内容に含まれます。
保育の五領域その二「人間関係」
周囲の人と支え合い、協力し合って良い人間関係を築くことを学びます。保育士の皆さんはこの学びを手助けするために、「信頼」「愛情」「道徳」「協調性」を教えます。
具体的な指導内容
「お友だちとは仲良くする」「自分がされては嫌なことはしない」とお友だちと遊ぶときの約束で信頼や愛情を、「ルールを守って遊ぶ」「遊具は使ったら片付ける」といった内容で道徳、マナーについて教えます。保育士さんはお子さんが入園中のさまざまな場面で「相手の気持ちに立つ」ことの大切さを教えることとなります。
保育の五領域その三「環境」
人は周囲の環境からさまざまなものを発見し、考え、学ぶことで、成長していきます。保育士さんは子どもたちに周囲の環境へ興味をもたせるところから手助けを行います。生命、自然、社会についての「興味・関心」を育て、それらに対する「豊かな心情」や「思考力」を培うことがねらいです。
具体的な指導内容
周囲の環境に目を向ける習慣を持たせるために、「街にはどんなお店があるかな?」「どんな色の花が咲いている?」「どんな昆虫が住んでいるのかな?」など問いかけて、子どもたちに気づきを与えます。そうすることで、外の環境に目を向ける習慣と、見知りしたことについて考える力が身についていきます。園庭の隅を見て回ったり、散歩などを通して指導が適しています。
保育の五領域その四「言葉」
子どもたちの話しをする力、聞く力を養うことがねらいです。五領域その二の「人間関係」の構築にも言葉は便利ですね。単語や言葉の意味、言葉を使った受け答え(コミュニケーション)を学習します。
具体的な指導内容
言葉を教えるには言葉を使わせることが大切です。「どんな遊びがしたい?」「きのうは何を食べた?」「今日の天気は?」などの質問をすると、子どもたちは「相手がどんな答えを求めているのか」「どんな言葉で答えれば相手は理解してくれるのか」を考えるようになります。これを繰り返していくことで、聞く力、話す力が身についていくのです。
保育の五領域その五「表現」
さまざまな体験を通して、豊かな「感性」や「表現力」を育み、「創造力」を養っていきます。子どもたちは感受性が強いものですが、感じたことを自分らしく自由に表現できるようになることがねらいです。
具体的な指導内容
実は保育業務のカリキュラムに「表現」を学ぶことができるきっかけが沢山盛り込まれています。例えば、粘土や紙工作、クリスマス会等の飾り付けでは、他のお子さんの制作物を見たり自分で作ってみたりすることで、感性や想像力が豊かになります。また劇や合唱などの発表会では、自分の身体や声を使って表現することを学ぶことができます。
日常のお子さんと接するすべての業務が、この「保育の五領域」に結びつきます。保育士のみなさんは改めて五領域を理解して、子どもたちを指導してください。