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2019.03.06

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保育園・幼稚園での身体測定や健康診断の進め方

保育園・幼稚園で身体測定、健康診断をスムーズに行う方法

保育園や幼稚園では、子どもの健康状態を確認するため定期的に健康診断を、そして子どもの成長を記録するために身体測定を実施します。今回はこの健康診断・身体測定の概要と効率のいい実施方法について解説します。

園児さんの健康診断にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、健康診断の種類とそれぞれの目的について説明します。
保育園、幼稚園に入園した子どもたちに対して、最初に実施する健康診断が入園児検診です。保護者の方にも一緒にお越しいただいて、予防接種や運動機能、言葉など、発育状態を検診します。
前期検診が行われる時期は5~6月ごろ。まだ、園児たちが入園してから2ヵ月程度しか経っていないので、担当保育士さんも園児さんたちの健康状態を把握しきれていない時期だと思います。前期検診では、主に運動機能やこれから先に心身ともに問題になりそうな点がないかをチェックします。
後期検診は9~10月ごろに行います。運動会などのイベントを終えたとき、保育士さんも子どもたちの身体的・心理的な状態をある程度把握できるようになっています。この後期検診では、前期検診のときに見つかった注意事項や問題の経過を確認します。
定期的な検診とは別に、不定期的に実施されるのが臨時検診になります。学校保健安全法には「必要時に行う」と記載されているだけで、いつ実施すべきかは具体的には決まっていません。実施するタイミングとしては、ノロウィルス等の感染症や食中毒の影響で短期間のうちに多数のお子さんが病気にかかったとき、もしくは火事や自然災害、大きな事件や事故などが発生して、子どもたちが身体的・心理的にダメージを受けた可能性がある場合などです。つまり、突発的に起こった問題を解決するための検診となります。
入園前検診とは基本的に園内では行わず、保護者の方がお子さんを病院へ連れて行って受けていただく検診のことです。各自で受ける検診ですが、ほとんどの保育園・幼稚園が入園前検診を義務付けているので、保護者の方へアナウンスしなければなりません。病院によっては予約が必要であることも合わせてお伝えしておきましょう。
健康診断とは別に、身体測定で子どもたちの発育を記録します。頻度や実施時期は保育園や幼稚園によってさまざまですが、毎月実施する園も多いようです。身体測定といっても身長や体重を測るだけでなく、身体と共に心の健康状態も確認します。
健康診断、身体測定はどのように実施すればスムーズに行うことができるのでしょうか。限られた時間で安全かつ効率的に受診させるためのポイントは下記のようになります。
担当している園児さんについて、保護者の方や先輩保育士さんから聞いていること、保育士さん自身で気づいたことがあれば、あらかじめメモしておきましょう。そのメモを見ながらお話しすると、その場の言葉だけで説明するより園医さんへの伝達がスムーズに進みます。
検診当日になっていきなりあれこれ指示を出しても、子どもたちはなかなか思けません。前もって健康診断、身体測定の流れを説明してあげてください。前日だと忘れてしまう子どもさんもいますので、当日朝に登園してから「ここの位置に集合!」とか「お着替えはここで!」とやるべきことを簡潔に話すようにしましょう。
1番時間を使うのが着替えです。検診を行うお子さんごとに服を脱がせていると非常に時間がかかってしまいます。園医さんから近い部屋を暖かくしておき、全員同じタイミングで服を脱がせる方法であれば、時間の短縮につながります。2歳児や3歳児で、ふだんは自分で着替えているお子さんがいたとしても、この日だけは別。スムーズに進行するため保育士さんが全面的にサポートしてあげましょう。
4歳児以降になると、自分で着替えができたり、保育士さんの指示どおりしっかり動いてくれたりするお子さんもいるはず。通常はお名前順に受診すると思いますが、着替えに時間がかかってしまって、列が長く渋滞してしまうのは問題です。時間がかかると飽きてきたり、ぐずったりする園児さんも増えてきます。準備が早く終わった園児さんを先に受診させるよう、あらかじめ園医さんへお伝えしておきます。その際はお名前の間違いにはくれぐれも注意してください。
健康診断や身体測定は子どもたちの健康と成長を管理する上で非常に重要です。しかし、十分に準備せずに行うと、非常に時間がかかることになって、子どもたちにも、お医者さんにもご迷惑をかけてしまう可能性があります。保育園・幼稚園の健康診断や身体測定は上記を参考に準備を進めてみてください。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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