2019.02.22
転職コラム
保育士の勤続年数が長い=離職率が低い保育園の環境とは?
保育士さんが長く働きたくなる保育園とは、どのような職場環境なのでしょうか。引越しや出産の他に、保育園での職場環境が合わずに離職する保育士さんも少なくありません。今回は、より多くの保育士さんが長く働ける職場と出会うことができるように、保育士さんにとっていい職場環境とはどんなところか、について考えていきましょう。
保育士が保育園に求めるポイントは
長く働きたくなる職場環境の定義は、一人ひとりの保育士さんによって異なります。理想の職場環境を考えるうえでいちばん大切なことは、自分が「最も大事にしたいポイントはどこか?」をしっかり決めておくことです。多くの保育士転職・就職希望者のお話しを聞く中でポイントとしてあがるのが、「給与等の待遇」「労働条件」「施設の保育方針」「人間関係」の4つです。みなさんがどのポイントを重要視するか、各項目を見て判断材料にしてみてください。
待遇を重視する
待遇は労働に対する対価ですので、多くの保育士さんが改善を求めるところです。同じ保育士キャリア・同じ労働時間でも働く施設によって待遇や給与は変わります。一例ではありますが、公立保育園の正社員をめざせば賞与や退職手当などの充実した福利厚生を受けることができますし、短い勤務時間での高時給を求めるのであれば私立保育園での夜勤という選択ができます。また、処遇改善手当が保育士さんにちゃんと還元されているのかどうかも事前に確認しておきたいところです。
労働条件を重視する
雇用形態、勤務時間などの雇用条件はどうでしょう。以前に夜勤で働いて身体的疲労を感じていた保育士さんは日勤が条件の職場を、仕事とプライベートとの両立のために毎日決まった時間に帰りたいという保育士さんであれば、残業なし・夕方までの時短勤務などが職場を選ぶ基準になるということになります。労働条件が身体的・精神的な負担となっている保育士さんには、長く働くうえで非常に重要なポイントです。また、自身の家族構成、年齢など、保育士さんを取り巻く環境は変わっていきます。保育士さんは今の状況はもちろん、将来の生活設計なども考慮しておくことが無理ない人生につながります。
施設の保育方針
保育園ごとに保育の方針がありますが、その方針が合わずに転職を考える保育士さんもいらしゃいます。「自分の考える保育」のような明確な理論は持っていなくても、何よりも子どもたちを大事にしているかどうかは最も大切な部分です。たとえば「おやつは市販のものを出さない」であったり、「床暖房を導入している」など、園にとっては負担となる事であっても、園児さんのために保育サービスの質の向上をめざしている保育施設は保育士さんに支持されます。今、勤務している保育園での保育方針に違和感を感じている場合は、その原因と先々変えられることなのかどうかを考えてみましょう。
保育園内の人間関係は最大の転職理由
保育士に限らず職場での人間関係は、長く働き続けたくなる要素として大事です。ただ、小規模であればすべての保育士さんが見えている環境、逆に言えばつねに他の保育士さんからみられている状況。そして、大規模な施設だと多くの保育士さんや職員とのコミュニケーションが必要になってきます。もちろん、保育のお仕事はチームワークが必要となるとともに、つねに子どもたちの動向に細心の注意を払う繊細な側面もありますから、一人ひとりが園児さんはもちろん、同僚の保育士さんにも思いやりを持たないと人間関係に亀裂が入ることになります。ただ、年齢が離れていたり、価値観が違ったり、派閥があったり。園長先生に相談しても変わらなければ、ストレスを抱えて続けることはありません。
長く働きたくなる保育園を見つける方法
自分が職場に求める最も大事なポイントが見つかったら、次はそれが実現できる勤務先を探す必要があります。探し方をいくつかご紹介しますが、理想の保育園に出会うためにはいずれかひとつではなく、できればすべてやってみることをお勧めします。
保育施設のホームページを確認
まずは気になる保育園や幼稚園のHPをチェックしてみましょう。そちらを読み進めることによって、施設案内だけでなく、各園の保育方針を理解することができます。ぜひ「保育方針」や「園長先生の言葉」を確認してみてください。これらが見当たらない場合は、保育方針が定まっていなかったり、保育現場がイメージできなかったりします。また、施設内外の写真や保育風景などが掲載されていれば、園内・保育の様子も見ることができます。
保育園を見学してみる
入職を考える保育士さんのために見学を受け付けている保育園では実際の現場を知ることができます。ホームページの写真や園外から見ているだけでは分からないことを自分の目で見ることができます。設備は古すぎないか、子どもたちへの配慮が行き届いた設備・保育か、園内は清潔か、などをチェックしたいですね。さらに施設見学のときに、勤務されている保育士さんから「こんにちは!」って挨拶してもらえるかどうかも重要な判断ポイントです。また、説明会がある場合は、質疑応答の時間も設けられています。前の職場との実務や対応の違いなど、転職後の不安や疑問を解消できるように積極的に質問していきましょう。
体験実習制度があれば利用する
もし希望する保育園で体験実習制度があれば、現場での保育活動を体験してみましょう。特に新卒や保育士資格を取得したばかりで初めて保育士として働く方は、見たり聞いたりしただけでは、どんなところが自分に合っているかも判断しづらいはず。せっかくの機会なので、まず体験してみることをお勧めします。
ほいとものキャリアアドバイザーに相談する
ほいとものキャリアアドバイザーは保育士さんの転職・就職支援に特化したプロフェッショナルです。保育士さんが一生に経験する転職活動の数倍~数十倍の転職に携わっている専門職になります。転職を検討される保育士のみなさんよりも年齢が若くても、日々多くの保育士さんの転職相談やお悩みに耳を傾けています。「いつ転職・就職するかは決めてない」状態でも問題ありません。現在の勤務先である保育園や就業状況に何らかの悩みがあれば、経験豊富なアドバイザーに聞いてもらうだけでも気が楽になるものです。
長く働きたくなる保育士の職場環境は、保育士として働く一人ひとりによって異なります。まずは自分が重視するポイントを知ることから、新しい保育園探しへと進んでみてはいかがでしょうか。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。