2019.03.15
転職コラム
厚生労働省の保育士等キャリアアップ研修とは?
今回は「保育士等キャリアアップ研修」について詳しく説明します。保育士在職中の方にも、これから保育士就職を検討されている有資格者の方にもメリットがある内容ですので、ぜひご参考ください。※2019年3月時点での記事です。最新の情報は以下のHP(大阪府の場合)をご覧ください。参考資料:大阪府保育士等キャリアアップ研修
保育士等キャリアアップ研修とは
平成29年4月に厚生労働省が定めた制度で、保育施設で保育士さんがキャリアアップを図りやすいように、目的別の研修を用意したものです。保育士さんは受講要件に達していれば希望する研修を受け、研修修了をもって新たな役職や追加の待遇を受ける資格を得ることができます。
保育士等キャリアアップ研修の目的
主な目的は、保育の専門性の向上とされています。子育てを取り巻く環境は時代とともに変化しており、保育施設に求められる役割も多様化しています。そこで職務内容に応じた専門性を高める研修と新たな役職を設けることで、保育の専門性を高めつつ、高いスキルを持つと認められた保育士さんを評価する仕組みが整えられたのです。また、保育士の待遇改善と潜在保育士(保育士資格を保有するが保育士として働いていない方)の就職率UPも目的に含まれています。保育士さんにとっては、どういう経験を積んで何をすればキャリアアップできるのかが分かりやすくなり、新たな役職とともに追加の待遇を受けることができる可能性が生まれたことになります。待遇改善は在職中の保育士さんにとって喜ばしいことであるのはもちろん、待遇が理由で保育士の仕事を選ばなかった方々が、改めて保育の仕事に振り向くきっかけになるのではないでしょうか。
研修内容と新たな役職
保育士等キャリアアップ研修で用意されている分野は8つです。
・乳児保育
・幼児教育
・障害児保育
・食育・アレルギー
・保健衛生・安全対策
・保護者支援・子育て支援
・保育実践
・マネジメント
保育士の経験年数と、研修を修めた数に応じて取得できる役職が異なります。みなさん、まずはいずれかの分野を1つ修了し、職務分野別リーダー、若手リーダーからめざすこととなります。研修後のキャリアステップとして設けられた新たな役職と待遇は下記のとおりです。
・乳児保育
・幼児教育
・障害児保育
・食育・アレルギー
・保健衛生・安全対策
・保護者支援・子育て支援
・保育実践
・マネジメント
保育士の経験年数と、研修を修めた数に応じて取得できる役職が異なります。みなさん、まずはいずれかの分野を1つ修了し、職務分野別リーダー、若手リーダーからめざすこととなります。研修後のキャリアステップとして設けられた新たな役職と待遇は下記のとおりです。
職務分野別リーダー、若手リーダー
「3年以上の保育士経験を持ち、いずれかの職務分野研修を修了」していて「常勤保育士」として働いている方が対象です。基本給に上乗せ、もしくは手当として月額5,000円が支給されます。対象者は施設の職員数の1/5までとなります。
専門リーダー
「職務分野別リーダーを経験」し、かつ「4つ以上の職務分野の研修を修了」している方が対象となります。基本給に上乗せ、もしくは手当として月額最大40,000円が支給されます。対象者は施設の職員数の1/3までとなります。
副主任保育士
「職務分野別リーダーを経験」し、「マネジメントに加えて3つ以上の職務分野の研修を修了」し、かつ「7年以上の保育士経験」を持つ常勤職員が対象です。同じく月額最大40,000円が支給、対象者は施設の職員数の1/3までとなります。
研修修了証は他の都道府県でも有効
保育士等キャリアアップ研修の修了証は、取得した都道府県だけでなく、全国で有効です。また転職で職場の保育施設が変わる場合や、休職・離職後に復職する場合も継続して効力を発揮します。一度取得した修了証をずっと活かすことができるのはありがたいですね。
保育士等キャリアアップ研修制度で給与が上がる?
所定の保育士経験年数を経て研修を修了すれば給与が必ずあがる、わけではありません。必ず所定の役職になれるということではないのです。保育士等キャリアアップ研修の新たな役職に付与される手当は、国から保育園等の保育施設に支給されます。対象者数が施設の職員数に応じた設定になっているのもそのためです。また、上記の保育士経験年数はおおよそです。必要な研修を修め、おおよそ上記の期間保育士に従事した常勤職員の中から、誰をリーダーに、副主任にするか、どのように分配するかは保育施設側が決めることになります。「所定の保育士経験年数を経て研修を修了=役職取得、手当受領」ではないのでご注意ください。
保育士在職中の方も、保育士就職を検討されている方も、たとえ実務の経験年数が達していなくても、保育士としてのキャリアアップの一環に研修受講を検討されてはいかがでしょうか。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。