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2019.05.29

転職コラム

失業保険を受給する保育士さん。必要書類や手続きを解説

保育士で失業保険をもらうには? 必要書類や手続きをご紹介

退職後に転職活動をする保育士さんにとって、次の職場がなかなか決まらない場合には、失業保険をもらえるかどうかは大きな問題です。でも、そもそも失業保険ってどのようなものでしょう?また、どのような手続きが必要で、もらえる金額はどれくらいなのでしょうか? そんな疑問をお持ちの方も多いはずです。ここでは、保育士さんが失業保険をもらう際に必要な書類や手続きをご紹介します。

失業保険とは、雇用保険の中に含まれる『基本手当』(失業給付)のことです。雇用保険に加入している方が退職した場合、一定の条件を満たすと再就職するまでにもらうことができるお金のことを失業手当(失業給付金)と呼びます。失業手当をもらうことができるのは、次の条件を満たす方です。
働くことが可能でありながら失業中の方で、ハローワーク(公共職業安定所)で求職活動している状態にあることが求められます。
【一般離職者】
退職した日からさかのぼって2年間のうち、合計12ヵ月以上加入していること。

【特定受給資格者または特定理由離職者】
退職した日からさかのぼって1年間のうち、合計6ヵ月以上加入していること。

※一般離職者…自分の都合によって退職した方
※特定受給資格者…会社の都合で退職した方
※特定理由離職者…その他やむをえない理由等で退職した方
失業保険をもらうための手続きはハローワークで行います。ハローワークは全国に約550ヵ所ありますが住んでいる市や区で管轄が決まっていますので、事前に調べる必要があります。
手続きには次の書類が必要となります。

・雇用保険被保険者証
・雇用保険被保険者離職票(‐1、2)
これらは退職した職場から交付してもらうものです。『雇用保険被保険証』は入職時にもらっている場合もありますので確認してみてください。辞めた職場に頼みづらいとお考えの保育士さんもいるかもしれませんが、退職したすべての方が通る道ですのでお気になさらず。

そのほかに、身分を証明するための書類も必要です。
・個人番号確認書類
・身元確認書類
・証明写真(2枚)
・印鑑
・本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
基本的な流れは下記のとおりです。
1)ハローワークへ離職票を提出・求職の申し込みを行います。
 求職申し込みは離職票の登録とハローワークへの登録のような手続きです。
2)受給資格の決定
 1)の手続きが完了し、受給資格が認められればその日が受給資格決定日となります。
3)7日間の待期期間
 1)の受給資格決定日の翌日から7日間を待期期間といいます。
4)雇用保険受給説明会(初回講習)への参加、失業認定
 説明会へ参加すると、『雇用保険受給資格者証』『失業認定申告書』を受け取り、失業認定を受けます。この初回講習はハローワークでの求職活動1回分に数えることができます。
5)失業認定日(失業手当支給日)の決定
 実際に失業手当が支給されるスケジュールが公開されます。
6)ハローワークでの求職活動
 各失業認定日までに、ハローワークで指定回数以上の求職活動実績が必要です。
失業認定日から約1週間後が給付日となります。初回給付のタイミングは退職理由によって変わります。

【一般離職者】
待期期間7日間に加えて3ヵ月間は『給付制限期間』となり、7日+3ヵ月の後が初回認定日となります。
【特定受給資格者または特定理由離職者】
待期期間の7日間が過ぎたタイミングが初回認定日となります。

保育士さんの中には労働環境などが原因で退職されるケースもあるかもしれません。状況によっては特定受給資格者に該当する場合もありますので、求職申し込みのタイミングでハローワークへ相談してみてください。初回以降の失業認定日は4週間に1回の頻度で設定されます。各認定日までには最低でも2回(2日)はハローワークで求職活動を行うことが受給の条件です
失業保険をもらうことができる期間は90日から360日までと条件によって細かく分類されています。離職理由、離職時の年齢、被保険者であった期間で所定給付日数が決まります。自分がどこに該当するかあらかじめ確認しておきましょう。
次の仕事が決まるまでの期間、所定給付日数を上限として基本手当の支給を受けることができます。
失業保険の金額は「離職した直前6ヵ月間の給与総額」と上記の給付期間を特定の倍率で計算して決定します。

・35歳で勤めていた保育園を自己都合退職
・被保険者期間は15年間
・離職直近までの給与は月給25万円。6ヵ月総額150万円

上記の内容で退職した場合、受け取れる失業保険総支給額は概算で下記のとおりです。
・基本手当日額5,488円
・総支給額(120日間)65万8,560円

計算方法が非常に複雑ですので、ご自身の正しい金額はハローワークで確認してください。
再就職手当とは、失業給付金の受給資格がある人が所定給付日数を残して就職できた場合に支給される手当です。
・待期期間経過後に就職し、所定給付日数の3分の1以上残っていること
・再就職先が離職前の事業主と一切関連がないこと(グループ会社や関連法人でないこと)
・1年を超えて安定的に雇用される見込みのある職業に就いたこと
など一定の条件をもとに、所定給付日数の残り最大70%にあたる日額を受給することができます。
なお、必ずしもハローワーク経由で就職しなくても問題ありません。ほいとも大阪のような外部の保育士転職支援サービスで就職した場合でも、条件さえ満たせば受給できます。再就職後、落ち着いたタイミングでハローワークに相談に行くと良いでしょう。

参考:ハローワークインターネットサービス『再就職手当について』:
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_stepup.html
 
失業認定日までに、ハローワークで求職活動を行ったという実績を残す必要があります。ハローワークには様々な求人情報があり、保育園からの求人も出ています。施設内のPC端末からハローワークの求人情報が閲覧できますので、求人閲覧・検索・応募などを行うことで「求職活動を行った」と見なされます。スムーズに失業保険を受け取れるようにするためには、退職前に必要な書類や手続きについて確認しておくことが大切です。また、退職理由や勤続年数(被保険者期間)によってもらえる金額や期間が異なりますので、自分がどこに該当するのか把握しておくべきです。失業保険をきちんと受け取ることで、安心してじっくりと転職活動が進められるとよいですね。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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