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2019.06.19

転職コラム

転職する30代保育士さんに保育園が求めること

30代での保育士転職。保育園に求められるポイントとは?

30代になると、仕事や家庭の状況が変わることが多いですよね。保育士さんとして様々な経験を積んで、転職を考えているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に『ほいとも大阪』へ相談に来られる方も30代の保育士さんがもっとも多くなっています。園としては保育士さんを慢性的に必要としているものの、逆から見れば30代は転職する際のライバルもまた多いということになります。今回は転職をお考えの30代の保育士さんを対象に、園が応募者に求めるポイント、転職時に重視すべきポイントをご紹介します。

ひと昔前は、30歳を過ぎると転職が難しくなると言われることもありました。ご両親やその世代の方から、転職に後ろ向きな意見を聞かされたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。転居や出産・育児などを理由に、今の職場で働き続けることができない場合に転職するものだ、という考え方もまだまだ根強くあります。でも、今はスキルアップや待遇の向上、環境の変化を求めて転職をするのが一般的です。厚生労働省が転職者に行った平成29年のアンケートでは、転職後に前職より給与が「増加した人」は36.2%、「変わらなかった人」は29.2%。さらに「増加した人」のうち25.7%が1割以上増額したという結果が出ています。6割以上の方が給与を下げることなく新しい職場環境でチャレンジできているということになります。とくに保育士求人は『売り手市場』です。平成27年10月時点の保育士の有効求人倍率は全国平均で1.93倍(※求職者の数に対して求人数が約2倍ある)。自分を上手にPRすることができれば、きっと納得のいく転職を実現することができるでしょう。

参照:厚生労働省『平成29年雇用動向調査結果の概況』
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/18-2/dl/gaikyou.pdf
 
若手の20代、ベテランの40・50代と比べて30代保育士には園側が採用したくなる「理由」があります。園に求められるポイントを知ることで、転職活動する際のアピールポイントが見えてきます。ご自身の経験や知識と照らし合わせて、履歴書の作成や面接を受けるときの材料にしてください。
保育士さんの仕事は実に多岐にわたります。それに応じて、柔軟な対応が求められるのは言うまでもありません。仕事の流れは2〜3年働けばひととおり経験できますが、経験と知識を重ねれば重ねるほどに柔軟な対応力は養われていきます。また主任などの役職を経験していなくても、後輩の保育士さんに仕事や園でのルールを教える機会は少なからずあったはずです。そのような経験を元にした体験談は、20代のころよりも説得力が増すものです。
面接では、上記のような「困ったときにこのように工夫して乗り越えた」や「後輩にこのように教育・指導した、相談相手になった」などの経験が強みとして評価されます。新設保育園やオープニングスタッフを募集している園では、比較的若手の保育士さんが集まりやすい傾向がありますから、経験を活かすことができる募集先の候補として覚えておいてください。
ご自身は「20代の頃と比べて体力が落ちた…」と思うかもしれませんが、世間では30代は最も「脂がのる」世代とも言われます。体力の低下を多少感じていても、ぜひ自信を持ってください。園側も30代の保育士さんには経験とともに体力にも期待しています。「30になって体力が落ちたので外遊びは不安です」などと言うと面接担当の方をがっかりさせてしまうかもしれません。病気やケガ、産後の場合などは仕方ありませんが、そうでなく不安がある方は、日頃から歩くなどして基礎体力をつけておきましょう。
30代の保育士さんは、その経験と知識から即戦力として期待されています。そして、ゆくゆくは主任、そして園長へ…と役職者として活躍していただきたいと考えられることもあります。保育園側は基本的に『長く働いてくれる人』を採用したいものの、一方で保育士の離職率は高いという現実もあります。若い保育士さんが育ってきても、昇進させる前に転職されてしまうということもあるでしょう。そんななか、30代で豊富な経験を持った保育士さんが入ってくれると、もちろん将来を見据えて採用したいということになります。「今までの経験を活かしながら、ゆくゆくは」と言った話ができると、面接者の期待感も高まります。
どれだけ売り手市場だといっても、人気園などではライバルも多くなる30代の転職はしっかりした準備が必要です。初めての転職の方は以下の2つのポイントをおさえておいてください。
そもそもなぜ転職するのか、転職後に何をなしとげたいのかといった自己分析は必要です。「前の職場が不満」だけだと、自分をアピールする材料とはいえません。自己分析を行ってから転職アドバイザーに相談すると、転職後のビジョンが見えやすくなります。
ブランクがある方は実務で必要となるスキルのおさらいを、前職で苦手な業務があった方は克服を。転職時に離職期間がある場合は、再就職前に準備しておくことをお勧めします。就職後すぐに活躍できますし、離職期間も仕事に前向きであるといった面接時のアピールにもなります。

慢性的な人材不足である保育業界で、働き盛りとなる30代保育士は多くの園で必要とされています。しかし、納得できる転職にするためには、園の求めるポイントと自分の強みがマッチしていることが好ましいです。まずは自己分析で自分の強みを再確認するところから準備をしてみてください。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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