SPECIAL

2019.11.20

転職コラム

保育園の『一時保育』と保育士さんの仕事内容について

保育園の『一時保育』と保育士さんの仕事内容について

保育園には「一時保育(一時預かり)」というサービスがあります。その名のとおり、一時的にお子さんを預かるサービスですが、その名称から幼稚園の「預かり保育」と混同されやすいです。今回は、保育園の一時保育について、また一時保育における保育士さんの役割についてご説明します。

一時保育とは、突発的な事情によりご家庭での保育が難しいときに、一時的にお子さんを預けることができる託児サービスの名称です。対象施設は保育園のほかに幼稚園、認定こども園などさまざまで、園や行政のホームページで一時保育に対応している施設が確認できます。それでは通常の保育と何が異なるのか、順にみていきましょう。
保育園に在籍している園児を対象とする通常の保育と異なり、一時保育では、主に園に在籍していないお子さんを預かります。そのため、保活中の保護者の方が預けに来られることも多いです。
保育園への入園条件に、原則として保護者の方が働いていることが挙げられます。仕事が理由で保育をすることができない、ということが1つの条件になっているためですね。しかし一時保育は保護者の就労状況は関係ありません。主婦の方はもちろん、無職でも育休中でも預けることができます。育児を行っている保護者の方ご自身が体調不良になってしまったとき、育児を任せているご親族の都合がつかないとき、育児疲れ予防のリフレッシュ目的など、「突発的な理由」の場合にも対応できるようになっています。
一部の施設では、年末年始をのぞいて24時間運営している保育所もあります。保育園の保育時間が終わった後に預かってもらう、ということもできます。
病児を専門にお預かりする病児保育施設も一時保育施設の一種です。通常の保育園では病児は預かることができません。「保育園には預けられないが、会社も休めない」そんな保護者の方にとって、とても頼りになる施設です。
ショッピングモールやスポーツジムなどで施設に併設している託児所があります。買い物やジム通いなど、一時的にお子さんを預けるところですが、広義ではこれらの託児所で行われている保育サービスも一時保育に分類されます。
預かり保育とは、4時間を標準とする幼稚園・認定こども園の教育時間にプラスして、お子さんを預かる保育・教育活動のことを言います。預かり保育は通常の園の活動が終わったあとだけでなく、活動前の朝や、夏休みなどの長期休暇のときも運営しています。幼稚園・認定こども園は通常9時~14時で教育時間が設定されています。「仕事は時短にしているけれど、もう少し預かってほしい」そういったお声に応えられるのが預かり保育です。一時保育と異なり、利用できるのは在籍している園児のみで、通例は教育時間の前後1時間から3時間程度の運営です。長く開園しているところでも19時頃までです。共働きのご家庭が増えていることから、保護者の方の預かり保育へのニーズは高まっています。幼稚園選びの際に預かり保育があること、預かり保育の定員に空きがあることを前提に園探しをされる方も多いことから、今日では多くの幼稚園・認定こども園で預かり保育を実施しています。
一時保育の仕事内容は、病児保育施設を除くと通常保育と仕事内容はほぼ変わりません。保護者の方がお迎えにこられるまで、一緒に遊んだり本を読み聞かせたり、おやつを食べたりといった活動になります。
通常の保育と異なるのは、お預かりするお子さんが毎回変わることです。多くのご家庭が何度か利用されますし、保育園の倍率がとくに高い地域では、やむなく一時保育を利用するご家庭もありますが、毎日同じということはほとんどありません。子どもたち自身も見慣れない大人たち・お友だちにどうしても緊張しがち。この点では、保育園に在籍して毎日登園してくる園児の保育とは、また違った難しさがあります。
病児保育の場合は、通常の保育に加えて看護業務も行います。保育士さんが医療行為を行うことはありませんが、医師や看護師の方と連携しながら働くことになります。

病児保育について詳しくはこちら
『病児保育』とは?病児保育士さんの仕事内容
一時保育にやってくる子どもたちは、突然知らない環境で、知らない人たちのなかに置かれることになるわけですから、当然不安を感じます。普段は大泣きしないお子さんであっても泣き止まないということもあります。保育士さんはその不安な気持ちをできるだけ払拭し、楽しく保護者の方のお迎えまで過ごしてもらえるようにサポートするのがいちばん重要な役割といえます。

一時保育は、保育園に入園させたいのになかなか園が決まらない、突発的な理由で一時的に育児ができない、など保護者の多様な託児ニーズを支えるサービスです。保護者の方には安心してお迎えにきていただけるように、子どもたちには元気よくお迎えまで過ごせるように、一時保育の場でも保育士さんの役割は非常に大切なのです。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

保育のお仕事探しを相談

Search

Monthly Archive

一覧ページへ