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2019.11.22

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保育園・幼稚園でできる冬のお外遊び

保育園・幼稚園でできる冬のお外遊び

とりわけ寒さが厳しい日、みなさんの園の子どもたちはどんな風に過ごしていますか? 外に出たがらないお子さんもいれば、まるで寒さなど感じていないかのように遊びまわるお子さんもいるはずです。冬の外遊びにはお子さんの成長を促す大事な役割と、いろんな発見があります。寒さに弱い保育士さんにとっては、気がすすまないかもしれませんが…。こちらの記事で、ぜひ外遊びのレパートリーを増やしてください。

「寒い冬に外で遊んでいると風邪をひきそう」と考えがちですが、そうではありません。実際は、寒いのがよくないわけではなく、身体が冷えた状態を続けてしまうことで、体調の悪化につながっていくのです。これは、夏の日に体温が上がりすぎて熱中症になるのと同じ原理ですね。身体を動かすあそびは、子どもたちの心身の成長に欠かすことはできませんし、「冬は寒い!でも動くと温まる」ということを学習できるのは冬の外遊びだからこそです。温度変化の少ない室内で遊ぶだけでなく、屋外で遊ぶことによって体力や病気への抵抗力を育むことも大切です。
「身体を冷やした状態が続くと体調の悪化につながる」と前述しましたが、冬場は汗もすぐに冷えてしまいます。さらに、冷たい風が吹いていると一気に体温が奪われます。お子さん一人ひとりで体力は違いますから、決して無理はさせずにきちんと時間を決めて遊ぶようにしましょう。
冬の外遊びでの体調管理法としては下記のものがあります。
・休憩時は室内で。室内に戻ったら、すぐに上着を脱がせる
・汗をかいていたら拭いた上で着替えさせる
・うがいは頻繁に。うがいできないお子さんには水分を多めに。(湯冷ましやお茶などエネルギーのない飲み物)
外遊びで身体が温まった状態で室内に入ると、急に汗が出てくることがあります。顔に汗が浮かんでいなくても脇や背中が汗で濡れているかもしれません。外遊びから戻ったら上着を脱がせて、汗をかいていれば着替えをさせてください。また冬場は空気が乾燥しています。喉が乾燥すると炎症やウイルスへの感染リスクが高まりますので、うがいなどで口の中や喉の乾燥を防ぎます。
まずは園庭でできる冬の外遊びの一例です。
寒い日に息をはくと白くなります。それを利用して、子どもたちと保育士さんでどれだけ白い息が出せるか比べます。当然保育士さんの方が肺活量は多いですから、長く・白く・大きい息が出せると思います。子どもたちにはマネできない『白い息』で子どもたちは感心するはず。園児2〜3人と保育士さん1人で対決などをしても楽しいですね。
園庭の遊具や土、砂、葉っぱや石など、さまざまなものに触れて温度を確かめます。「これは冷たいかな~?暖かいかな~?」と言葉をかけながら遊ぶことで、想像力も養われます。土は冷たいけど掘り返すと中は暖かい、石は冷たいけど葉っぱはそんなに冷たくない、鉄はキンキンに冷えている、などいろんな発見がありますよ。冷たいものを触ったあとはカイロで温めた保育士さんの手ですかさず保温、です。
冬でも日差しがさす部分はポカポカして暖かいですね。同じときでも、日向と日陰では体感温度が全然違うことには驚くはずです。園舎の陰などでひなたと日陰ができていれば、ジャンプしたりまたいだりして遊ぶことができます。
2歳児、3歳児さんであれば、冷たい空気のなか風をきって走るだけで楽しんでくれます。走ると空気はより冷たくなるので、それが気持ちいいんですよね。
オニごっこで、オニを「氷になって」かわすことができるルールですね。冬独特の遊びというわけではありませんが、寒いときはお子さんたちにとってもイメージが湧きやすいです。
次に、園外でできる遊びを集めてみました。お散歩で公園へ行くと、そこは『自然の遊具』があふれています。
樹木が多い公園で落ち葉が溜まっているところがあればチャンスです。足踏みすると落ち葉は「サクサク」。霜があれば「ジャリジャリ」といつもと違う感覚を楽しむことができます。
園庭にはない木の実や落ち葉があれば、拾い集めてみましょう。どんぐりや松ぼっくりは定番です。用意したビニール袋などに入れて持ちかえれば、保育園・幼稚園での工作で活用することもできますね。
石やレンガをひっくりかえすと、その下にはたくさんの虫が。ダンゴムシなどがいるかもしれません。触らせる必要はありませんが、寒い冬に石の下に集まっている虫がいることを知ることができます。
雪が残っている場合は、ぜひ雪遊びしたいですね。雪を足で踏む感触を楽しんだり、まるめてみたり、固めてみたり、雪だるまを作ったり…と遊びの幅は広がります。また、雪が降るような寒い日は、水たまりやバケツの水が凍っている可能性があります。氷の板も触ってみたり、氷越しに向こうをみたりするのも楽しいですよね。ただし、雪も氷も、お子さんが口に入れないように保育士さんは気配りをお願いします。

冬の外遊びは、寒さに強い身体づくりや新たな発見をする学びの良い機会になります。子どもたちだけでなく、保育士さんも体調管理には十分気を付けて、冬を目いっぱい楽しんでください。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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