2019.11.29
お役立ち情報
パソコン苦手な保育士さん必見!保育園のICT化とは?
近年、保育園でも注目されている『ICT化』。ICTという言葉について、聞いたことがない方も多いかもしれませんが、なんとなくIT・インターネットを活用した最新技術を思い浮かべるのではないでしょうか。ここではICTとは何か、保育の現場ではどのように活用されているのかを解説します。
ICTとは?
ICTとは『Information and Communication Technology(情報通信技術)』の略です。主にインターネットなどの通信技術を活用したコミュニケーションと、それを利用した産業やサービスのことをいいます。ひと昔前は「IT革命」という言葉がもてはやされました。ICTはIT(情報技術)にCommunication(通信、伝達)が追加された言葉で、「人と人」もしくは「人とモノ」の「コミュニケーション」の部分が強調されています。ITを使った情報や知識の共有がより重要視されているのです。つまり、ICT化の目的は、情報技術を活用して、より円滑なコミュニケーションを取れるようにすることになります。
保育園でICT化を進める意味
ICT化で期待できることのひとつが「業務の効率化」です。保育士さんの業務にはお子さんの保育活動だけでなく、多くの事務業務もあります。なかでも書類の記入は大半が手書きだったりするため、どうしても時間がかかります。また手書きの場合、データの保存や共有にはPCでの再入力やコピーなどの追加作業が発生することになります。ICTを駆使した新しいシステムが事務業務の手間を軽減できれば、保育士さんはもっと保育そのものに集中できるようになりますし、よりよい保育園運営に注力することができるようになります。さらに、保護者の方や先生同士の情報共有も円滑になって、より緊密なコミュニケーションが生まれるようになります。
保育園で導入されているICT化の例
それでは、すでに一部の保育園で実際に導入されているICT化の実例をいくつか紹介していきましょう。
日誌や記録のデジタル化
その日の出来事や子どもたちの様子を記録する保育日誌の記入は、保育士さんの重要な仕事のひとつです。保育を行ううえで欠かせないものの、毎日の記入には手間がかかります。また園児の登降園の記録を手書きで行っている保育園もまだまだ多いのが実情。ICT化を推進している保育園の中には、こうした日誌や記録をデジタル化している園もあります。日誌では記入しやすいフォーマットを使用したり、過去の日誌を参照して必要なところはコピー&ペーストするなど、記入時間の短縮が実現できています。また検索機能を使えば、これまでのお子さんの記録を確認したいときもスムーズです。登降園については、入力と同時にデータが蓄積されていきます。そのため、Excelに詳しくなくても、簡単に集計することができるようになります。
保育料の自動計算
保育料は、世帯所得や同じ園に通っているきょうだいの人数など、さまざまな要素から設定されており、毎月かなり複雑な計算が必要です。保育料の算出にICTを活用すると、個別に設定した条件で自動計算ができるようになるだけでなく、手計算で発生する計算ミスも減らすことができます。
保護者の方との連絡用ホームページ
保育園の先生と保護者の方だけが閲覧できる園専用のホームページ(ポータルサイト)やアプリを作って掲示板として利用している保育園もあります。イベントなどの連絡事項の伝達や遠足・運動会で撮影した写真の共有など、すべての保護者の方と一斉にコミュニケーションすることが可能です。さらに、変更や訂正があったときには、その場ですぐに修正できる利便性の高さも特徴です。ご家庭ごとの個別対応が不要になるのは非常に効率的ですが、一方で保護者の方とのコミュニケーションが希薄になりそうだと不安を覚える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、スマートフォンひとつで保育園やお子さんの状況が確認できるというメリットは、働きながらお子さんを預ける保護者側にとっても重宝されているということです。
出欠の連絡
園からの連絡だけでなく、各ご家庭から園への連絡の際にもICTを活用している保育園もあります。一般的には園への欠席連絡は電話が多いですが、園児数が多い保育園では、登園までの時間に電話が混み合うこともよくあります。出欠連絡がネット上でできれば、保育園に預けられないと分かった時点ですぐに連絡を入れることもできますし、保育士さん同士の口頭伝達による間違いも確実に減らすことができます。
保育園におけるICT化の例をいくつか紹介しましたが、保育士さんだけでなく、保護者の方にとっても負担が減るということがお分かりいただけたと思います。今後はICT化に加え、AI技術を駆使し、より効率的に園の運営ができるようになっていくかもしれません。たとえば、園児の体調を把握・管理し、感染症の予防に役立てたり、献立を自動作成したり…ICTというと難しいイメージを持たれるかもしれませんが、みなさんが働いていらっしゃる保育園にもいくつかのICTは採用されているかもしれません。また、日々の業務を思い起こして、ICT化できそうなところを話し合ってもいいですね。
保育園におけるICT化の例をいくつか紹介しましたが、保育士さんだけでなく、保護者の方にとっても負担が減るということがお分かりいただけたと思います。今後はICT化に加え、AI技術を駆使し、より効率的に園の運営ができるようになっていくかもしれません。たとえば、園児の体調を把握・管理し、感染症の予防に役立てたり、献立を自動作成したり…ICTというと難しいイメージを持たれるかもしれませんが、みなさんが働いていらっしゃる保育園にもいくつかのICTは採用されているかもしれません。また、日々の業務を思い起こして、ICT化できそうなところを話し合ってもいいですね。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。