2020.04.15
転職コラム
子育てひと段落から保育士への復職。10年以上のブランクも平気!?
子どもが小学校や中学校に上がったタイミングで、もう一度『保育士』として職場復帰したい。ただ10年、15年のブランクとなると、いろいろ不安にもなりますよね。でも実際、みなさんは、ご自分が思っている以上に求められていて、思っている以上に高く評価されているのです。
『潜在保育士』の採用が各園共通の課題
『潜在保育士』とはご存じの通り、保育士資格を持っているけど、保育士として働いていない人のことです。現在、全国に約80万人もいるといわれています。このうち、資格を取得したけれど保育士として働いたことがない人が17%、過去に働いていたけど今は保育士を辞めている人が83%。保育士の退職理由は「出産・育児」が第1位ですから、世の中にはみなさんと同じ立場の方が本当にたくさんいらっしゃるわけです。保育士人材の不足に頭を抱える多くの園にとって、こうした『潜在保育士』の確保が急務。特に保育士経験を持つ人への復職に対する期待度は高く、「ブランクの年数などに関わらず大歓迎する」という園も多いのです。
「子育て」は貴重な経験として評価されます
自分の子どもを育てる。それは365日・24時間、保育士をしているようなものかもしれません。だから、そのブランク期間がマイナス評価されることはありません。さらに「子育ての経験」は同時に「保護者の経験」でもあり、この部分を高く評価する園がほとんどです。自分が保護者の立場だったことは、そのまま園児の保護者さんへの理解にもつながります。例えば1歳児のお母さんがどんなことを不安に感じているのか、3歳児の両親が園や先生に何を求めているのか。親の気持ちが分かるからこそ、より適切な保育や親身になっての保護者対応ができる。みなさんを迎える園は、そう考えているのです。実際に現在、園長や主任を務めている保育士さんも、育児からの復職組もたくさんいらっしゃいます。ブランク期間が何らハンデにならないことが、お分かりいただけると思います。
復職は無理せず、ご家庭の都合にも合わせながら
もちろん、安定収入や子どもの将来設計のために「常勤の正社員」で復帰する人も少なくありません。でも無理は禁物。例えば「まずはパートや時短勤務から」「あくまでも扶養枠内で」など、自分に負担のかからない範囲で、家庭の事情とも相談しながら復職するのもアリです。さいわい現在は「出産・育児で離職した潜在保育士」の争奪戦とも言われる状況。各園が幅広い受け入れ態勢を整えています。募集条件の中に「1日3時間~、週3日~のパートもOK」「ブランク明けの方には丁寧なサポートをご用意」といったコメントを目にされた方もいるはずです。さらに、将来の本格復帰を視野に「パートから正社員への登用あり」、まだ子どもが幼い保育士さんのために「保育士のお子さんを優先入園させます」といった園もぜひ探してみてください。
自分の復職に合う園が、きっと見つかるはず
まずは求人情報をしっかりチェックして「いまの自分」に合う条件を探しましょう。そして「保育士何名に園児何名の体制か」「入職するとどんなポジションで何歳児を担当するのか」「家に持ち帰らないといけない業務はないか」など、気になることは直に問い合わせて確認することをオススメします。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。