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2021.01.23

転職コラム

保育士さんの収入アップも可能!【処遇改善等加算Ⅰ】

処遇改善その1

処遇改善等加算。「お給料にいくらか上乗せしてくれてるみたいだけど、詳しくはわからない…」というみなさん、その仕組みについて、ちょっとお勉強しませんか。2013年にスタートした制度ですが、実は年々「改善」が進んでいます。いまはどんな基準で、いくら加算されるのか。どんな園で働くと加算が増えるのか。知っておいて損はないはず。処遇改善等加算には大きく分けて「Ⅰ」「Ⅱ」がありますが、今回はまず「Ⅰ」について詳しくお話ししていきます。

内閣府によると…処遇改善等加算は、教育・保育の提供に従事する人材の確保及び資質の向上のため(中略)、職員の平均経験年数の上昇に応じた昇給に要する費用(加算Ⅰの基礎分)、職員の賃金の改善やキャリアパスの構築の取組に要する費用 (加算Ⅰの賃金改善要件分)(中略)を確保することにより、賃金体系の改善を通じて「長く働くことができる」職場環境を構築し……うむむむ…。行政の文書は複雑です。
日本語に訳すと…処遇改善等加算は、給与水準を上げることで「保育士をやりたい」という人を増やし、よりよい保育を行っていくためのものです。保育士さんの平均経験年数に応じた加算(加算Ⅰの基礎分)、お給料の改善やキャリアアップの取り組みを頑張っている保育園への加算(加算Ⅰの賃金改善要件分)で、「保育士のお給料も悪くない」「これなら長く働ける」と思ってもらえたらいいな…という感じでしょうか。今回取り上げる「加算Ⅰ(基礎分・賃金改善要件分)」だけでも、実はお給料がかなりアップするのです。
日本語訳の中で触れたように、「処遇改善等加算Ⅰ」には「基礎分」と「賃金改善要件分」があります。さらに「賃金改善要件分」の中には「キャリアパス要件分」というのが含まれています。この3つについて、それぞれ詳しくお話ししていきます。
これは保育園に在籍する常勤の保育士の平均経験年数によって決まります。年数は「その園に何年勤めたか」ではなく、前職・前々職を含め「何年、保育士をやっているか」の年数です。例えば保育士が10人在籍していて、4人が経験5年、3人が経験10年、3人が経験15年だとすると、平均経験年数は9.5年ということになりますね。この年数に応じて園に「給与の上乗せ分」が定率で支給され、それが各保育士に振り分けられますが、用途としては「昇給」に充てる園が多いようです。平均経験年数と上乗せの率はご覧のとおり。
◆1年未満…………………………2%
◆1年以上、2年未満……………3%
◆2年以上、3年未満……………4%
◆3年以上、4年未満……………5%
◆4年以上、5年未満……………6%
◆5年以上、6年未満……………7%
◆6年以上、7年未満……………8%
◆7年以上、8年未満……………9%
◆8年以上、9年未満……………10%
◆9年以上、10年未満…………11%
◆10年以上、11年未満…………12%
◆11年以上………………………12%
つまりベテランの保育士が多い園ほど、加算が増えるということです。
これは保育士のお給料の改善を頑張っている園が対象となります。簡単にいうと園独自で処遇改善分以上の昇給をしている園・しようとしている園で、都道府県に対して「賃金改善実績報告書or賃金改善計画書」を提出することが条件になっています。具体的にどれくらいの加算があるかというと、これも先ほどの平均経験年数が関係してくるのですが、
◆11年未満の園…………………6%(基礎分と合わせて8〜18%)
◆11年以上の園…………………7%(基礎分と合わせて19%)
となり、こちらは手当や賞与(一時金)で保育士や職員に支給されます。
これは「賃金改善要件分」の一部で、その6〜7%のうちの「2%」を左右することになります。まず賃金改善要件を満たしている園が、さらに「役職や職務内容等に応じた勤務条件・賃金体系の設定をしているか」「保育士のキャリアアップのために具体的な計画を策定し、計画に沿った研修などを行っているか」などを問われます。そして条件を満たしていなければ、「賃金改善要件分」が2%減らされて、
◆11年未満の園…………………6%−2%=4%
◆11年以上の園…………………7%−2%=5%
となってしまいます。

加算のある園への転職相談はこちら

『処遇改善等加算Ⅰ』について知っていると、それが園選びの一つの目安にもなるはずです。もちろん「同年代の保育士が多い園がいい」という人もいると思いますが、ベテランが多くて給与改善に積極的な園を選べば、それだけ加算が増えるということです。平均経験年数が11年以上でキャリアパス要件を満たしていれば、かなりの給与アップになりますから、これは見逃せませんね。今回、かなり噛み砕いてお話ししたつもりですが、「まだよくわからない」という人は、ぜひ一度『ほいとも』に来てください。さらに詳しいスタッフが、もっと丁寧に説明しますので。では次回は「処遇改善等加算Ⅱでさらに4万円のお給料アップ」というお話です。
 
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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