2021.01.29
転職コラム
収入アップのために保育士も知っておきたい!【処遇改善等加算Ⅱ】
前回、「処遇改善等加算Ⅰ」には「基礎分」と「賃金改善要件分」というのがあって、それが昇給や月々のお給料への上積みになることをお伝えしました。今回は「処遇改善等加算Ⅱ」。「Ⅰ」の加算とは別に、さらに「月額で最大4万円の収入アップ」になるというお話ですから、こちらも知っておいて損はないはず。できるだけ分かりやすくお話ししていきますので、おつきあいくださいね。
『処遇改善等加算Ⅱ』は新たな役職・技能に対する加算
「処遇改善等加算Ⅱ」は2017年にスタートした新しい制度です。「加算Ⅰ」が在籍している保育士の平均経験年数を目安にしているのに対し、こちらは保育士の新たな役職、技能や専門性を条件としています。加算対象となるのは…
副主任保育士、専門リーダーの発令・職務命令を受けている保育士
経験年数が概ね7年以上で、4分野以上(計60時間以上)のキャリアアップ研修を修了している保育士…こちら、1人あたり月額5000円~4万円の加算
職務分野別リーダー、若手リーダーの発令・職務命令を受けている保育士
経験年数が概ね3年以上で、担当分野(15時間以上)の研修を修了している保育士…こちら、1人あたり月額5000円の加算
「研修」とは
①乳児保育 ②幼児教育 ③障害児保育 ④食育・アレルギー対応 ⑤保健衛生・安全対策 ⑥保護者支援・子育て支援 ⑦マネジメント ⑧保育実践という8つの専門分野の研修で、副主任保育士・専門リーダー(5000円~4万円対象者)はこのうち4分野(副主任保育士は⑦マネジメント+3分野、専門リーダーは①~⑧うち4分野)・計60時間以上、職務分野別リーダー(5000円の対象者)は①~⑥のいずれかの分野で15時間以上の修了が条件となっています。ただし、研修は令和4年度の必須化を目指していて、令和3年度までの間はこの要件は課されません。いまのうちから徐々にキャリアアップ研修を受けておくことをオススメします
キャリアアップアップが目指しやすくなりました
保育士のキャリアアップといえば、これまで主任保育士と園長という役職しかありませんでした。これは若手保育士や中堅保育士にとって、なかなか上を目指しにくい状況ですね。でも「処遇改善等加算Ⅱ」によって、「副主任保育士」「専門リーダー」「職務分野別リーダー」など、新たなキャリアアップの可能性が生まれたんです。しかもコチラは基準が明確。「専門リーダー」や「職務分野別リーダー」を目指すなら、どんな分野で何時間の研修をすればいいか、条件が明記されていますからね。でも園が「発令・職務命令」を出してくれるかどうか…。そんな心配は要りません。新たな「専門リーダー」や「職務分野別リーダー」が誕生すれば、1人あたり4万円もしくは5000円の処遇改善が園に入ってくるわけですから、キャリアアップを積極的に応援しているケースが多いんです。4万円の対象となる副主任保育士・中核リーダー・専門リーダーは「概ね園の職員の1/3」、5000円対象の職務分野別リーダー・若手リーダーは「概ね園の職員の1/5」という人数の目安もあります。だからそこまでは園の判断で「発令・職務命令」が出せるんです。
月額最大4万円の給与アップの可能性
概ね7年の経験を積み、頑張って4分野・60時間の研修を経て副主任保育士などになると、月額最大4万円の給与アップが待っています。ただしコレ、対象となる個人が必ず4万円もらえるというわけではないので、誤解がないようにちょっと運用ルールを説明します。
例えば、園児(利用)定員90名の保育園だと、副主任保育士・専門リーダー保育士に1ヵ月合計20万円、職務分野別リーダーに1ヵ月合計1万5000円の処遇改善等加算が入ります。それを誰にどう振り分けるかが、園にある程度任されているんです。1名には必ず4万円を加算しないといけません(令和2年度より改正)が、残りは他の保育士に5000円~4万円の間で振り分けてもいいというルールです。だから園の方針や考え方によって…
◆園内での段階的なキャリアアップの仕組み作りのため、対象の5人のうち2人に4万円を加算し、将来的に副主任保育士等を担う保育士4人に3万円ずつ。職務分野別リーダー3人に5000円ずつ。
◆副主任に4万円を加算すると主任の給与との差がほぼ無くなってしまう。だから対象の副主任・専門リーダー5人のうち2人に4万円を加算し、残り12万円を主任や他の専門リーダー保育士にも振り分ける。職務分野別リーダー3人に5000円ずつ。…というような使い方もOKになっています。でも対象者となれば、かなりの可能性で4万円の加算になるわけですし、年にすると48万円ですから大きいですよね。前回の「処遇改善等加算Ⅰ」も含め、もっと詳しく知りたいという人は、ぜひ『ほいとも』に相談してください。「保育士のキャリアアップ支援に積極的な保育園」も、たくさんご案内できますから。
例えば、園児(利用)定員90名の保育園だと、副主任保育士・専門リーダー保育士に1ヵ月合計20万円、職務分野別リーダーに1ヵ月合計1万5000円の処遇改善等加算が入ります。それを誰にどう振り分けるかが、園にある程度任されているんです。1名には必ず4万円を加算しないといけません(令和2年度より改正)が、残りは他の保育士に5000円~4万円の間で振り分けてもいいというルールです。だから園の方針や考え方によって…
◆園内での段階的なキャリアアップの仕組み作りのため、対象の5人のうち2人に4万円を加算し、将来的に副主任保育士等を担う保育士4人に3万円ずつ。職務分野別リーダー3人に5000円ずつ。
◆副主任に4万円を加算すると主任の給与との差がほぼ無くなってしまう。だから対象の副主任・専門リーダー5人のうち2人に4万円を加算し、残り12万円を主任や他の専門リーダー保育士にも振り分ける。職務分野別リーダー3人に5000円ずつ。…というような使い方もOKになっています。でも対象者となれば、かなりの可能性で4万円の加算になるわけですし、年にすると48万円ですから大きいですよね。前回の「処遇改善等加算Ⅰ」も含め、もっと詳しく知りたいという人は、ぜひ『ほいとも』に相談してください。「保育士のキャリアアップ支援に積極的な保育園」も、たくさんご案内できますから。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。