2021.12.22
お役立ち情報
オランダ生まれの『ピラミーデ保育』。いま日本の保育現場で注目されてます!
国際的な学力テストで子どもたちの学力が最も高い国の一つとされるオランダ。ユニセフが1997年に発表した「子どもの幸福度ランキング」で1位になったオランダ。そんなオランダの3〜6歳を対象とする幼児教育法が『ピラミーデ』です。現在、ドイツやアメリカにも広がり、日本にも10年前に導入されていますが、いままたその価値が注目を集めています。ではまず「ピラミーデって、そもそも何?」というあたりから始めましょう。
元々は教育先進国オランダの国家プロジェクト
ピラミーデは1994年、オランダの旧王立教育評価機関「Cito(シト)」によって開発されました。1999年に民営化された「Cito」は現在、国際英語能力検定「TOEFL」の本部として知られています。当初「ピラミッド・メソッド」と呼ばれていましたが、いまはオランダ語の「ピラミーデ」が国際共通名となっています。その最大の特長は「自分で選択して決断する力を伸ばすこと」を目的としている点。開発者のフォン・カルク博士は「子どもの自己選択で始まり、自己解決を目指すのが本来の教育。ただし子どもの自由勝手にさせるのではなく、教師が子どもをサポートしなければならない。ただ、主体はあくまで子どもで、教師はあくまでサポーター」と語っています。この教育法でオランダの子どもたちは「学力レベルが高く、世界でいちばん幸せ」という結果が出ていますから、ドイツのビースバーデン、アメリカのニュージャージーといった都市がいち早く採用。日本でも10年ほど前から、一部の私立幼稚園・保育園・子ども園などに導入されているようです。
それがなぜ、あらためて注目されているのか
2018年に施行された改定教育基本法の中で、「自分の頭で考える力を養うこと」と「社会を生き抜く武器を身につけること」の2つが教育の目的に盛り込まれました。従来の「知識詰め込み型」ではなく、子どもたちが自分で考え、意見を表現できる教育、お金・社会保障・選挙などの社会の仕組みを学べる教育が求められるようになったのです。そのため小学校では2020年から、主体的・対話的な学びを実現する「アクティブラーニング」やITC教育などに取り組むようになりました。小学校の教育が変われば、幼児教育にも変化が求められます。保育の現場でも「自尊感情」と「自主性」が重視されるようになり、それが「自分で選択して決断する力を伸ばすこと」を目的とするピラミーデと合致。最近、ますます注目度が高まってきたのです。
ピラミーデは具体的にどんな保育なのか
<コーナー保育>
全員で揃って同じ活動をする「一斉保育」に対し、ピラミーデでは絵本・積み木・ままごとなど、様々な遊びのコーナーを用意する「コーナー保育」が行なわれます。子どもたちは多くの選択肢の中から自分で遊びを選び、好きなことに集中。遊びは「静」と「動」の2タイプに分かれ、それぞれの環境を邪魔しないような配慮も大切になります。
<プロジェクト>
例えば1ヵ月に1つというペースでテーマを設定し、遊びと経験を通して抽象的な概念を主体的に学ぶプログラムです。テーマは「色」「形」「水」「衣服」など、子どもの身近な範囲のもの。1ヵ月をさらに1週間毎などに区切り、「色とは」「形とは」を少しずつ学びます。
<サークルタイム>
先生から一方的に連絡事項を伝える「朝の会」に代わる新しい1日のスタートです。先生と子どもたちが一緒に円形に座り、同じ目線で話をすることでまず安心感が生まれます。そんな雰囲気の中で友だちの話を落ち着いて聞いたり、自分の気持ちを伝えたり、先生に質問したり…。コミュニケーション能力を育むのに役立つといわれます。
<育児担当制>
どの先生がどの子どもを担当するかを決め、食事・排泄・睡眠などの生活に寄り添います。毎日同じ先生が丁寧に関わることで、子どもたちの情緒が安定し、のびのびと生活ができるようになるといわれています。
全員で揃って同じ活動をする「一斉保育」に対し、ピラミーデでは絵本・積み木・ままごとなど、様々な遊びのコーナーを用意する「コーナー保育」が行なわれます。子どもたちは多くの選択肢の中から自分で遊びを選び、好きなことに集中。遊びは「静」と「動」の2タイプに分かれ、それぞれの環境を邪魔しないような配慮も大切になります。
<プロジェクト>
例えば1ヵ月に1つというペースでテーマを設定し、遊びと経験を通して抽象的な概念を主体的に学ぶプログラムです。テーマは「色」「形」「水」「衣服」など、子どもの身近な範囲のもの。1ヵ月をさらに1週間毎などに区切り、「色とは」「形とは」を少しずつ学びます。
<サークルタイム>
先生から一方的に連絡事項を伝える「朝の会」に代わる新しい1日のスタートです。先生と子どもたちが一緒に円形に座り、同じ目線で話をすることでまず安心感が生まれます。そんな雰囲気の中で友だちの話を落ち着いて聞いたり、自分の気持ちを伝えたり、先生に質問したり…。コミュニケーション能力を育むのに役立つといわれます。
<育児担当制>
どの先生がどの子どもを担当するかを決め、食事・排泄・睡眠などの生活に寄り添います。毎日同じ先生が丁寧に関わることで、子どもたちの情緒が安定し、のびのびと生活ができるようになるといわれています。
ピラミーデ保育を取り入れる園が増えてます
私たち『ほいとも』は求人依頼を受けた保育園を直接訪問しています。そこで最近、目にすることが増えたのが「コーナー保育」。ピラミーデ保育では写真で遊びが表示されたプランニングボードに、子どもたちが自分の名札を貼って、好きな遊びのコーナーを選ぶのが特徴です。まだ日本ではスタートしたばかりですが、幼児期から「自主性」を学んだ子どもたちが、小学校・中学・高校・大学でどんな学び方をするのか、どんな人に育っていくのか、ちょっと楽しみです。最近はピラミーデ保育に関するオンラインでの研修もありますので、興味を持った人はぜひ一度、調べてみてください。また『ほいとも』に相談すれば、ピラミーデだけなく、独自の保育方針を掲げるいろんな保育園を紹介することもできますよ。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。