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2022.12.21

転職コラム

働くなら『保育園』? それとも『幼稚園』?

働くなら『保育園』? それとも『幼稚園』?

保育士資格と幼稚園教諭資格、両方を持っていると就職に有利、就職の可能性が広がるといわれます。実際に2年間で両方を取れる専門学校なども増えているようですね。そして2つの資格を持っている人からは「土日休みで固定時間で働ける幼稚園のほうがいいですよね?」といった声をよく聞きます。でも休みや待遇だけで幼稚園を選ぶのは、ちょっと早計かも。二つの違いをしっかり理解した上で、どちらが自分に合うかを考えてみませんか。

みなさん、知っていると思いますが、保育園は厚生労働省の管轄で児童福祉法に基き、幼稚園は文部科学省の管轄で学校教育法に基づき設置・運営されています。保育園は「0歳から小学校就学前」を対象に「保育に欠ける子どもの保育を行い、健全な心身の発達を図ること」を目的とした「児童福祉施設」で、幼稚園は「満3歳児から小学校就学前」を対象に「幼児を保育し適当な環境を与えて、心身の発達を助長すること」を目的とした「学校教育施設」です。簡単にいうと、保育園は働く両親の子どもを預かる場で、幼稚園は小学校に入る前の子どもの教育の場ですね。
他にも法律で、保育時間は保育園が8〜11時間(保護者の就労時間による)・年間300日、幼稚園が1日4時間程度・年間39週、給食の提供は保育園では義務、幼稚園では任意(園により異なる)と定められています。
保育時間は保育園の8〜11時間に対し、幼稚園は4時間程度。これだけ見ると確かに「幼稚園のほうがラク」と思われがちですが、決してそうではありません。2019年の政府統計を見ると、月間の所定労働時間は保育園が163時間、幼稚園が161時間。平均月給(額面)は保育園が23万8000円、幼稚園が24万100円。実は大差がないのです。
保育園は開園時間が長く、勤務が早番・遅番のシフト制になったりしますが、1日の実働はほぼ8時間。逆に幼稚園は開園時間が短いものの、最近は預かり保育・早朝保育を実施する園が増えていたり、土日開催の研修会があったりで、こちらも1日の実働はほぼ8時間。それで給与もほぼ同水準ですから、一概にどちらがラクとはいえませんね。
最初にお話ししたように、保育園は子どもを預かる保育の場であり、幼稚園は就学前の子どもの教育の場です。だから仕事内容や働き方にも大きな違いがあります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを整理してみましょう。
まず保育園は先生1人に対する子どもの数(3歳児なら1クラス最大20人)が少なく、子どもと接する時間も長くなります。保育期間も最長5年で、送迎の際に保護者と接する機会も多め。両親と一緒に長期に渡って成長を見守ることができます。幼稚園と比べてイベントが少なく、準備などの負担は軽め。ただ幼稚園のように夏休みなどの長期休暇はなく、夕方まで子どもたちがいるので、保育時間内に事務処理をしにくいかもしれません。また自由保育の時間が長いので、教育的な指導はしにくい環境です。
逆に幼稚園は教育する・教えるというヤリガイが大きめです。対象が3〜5歳に限られていて乳幼児と接することがなく、送迎バスを導入していることが多いので保護者対応の負担も少ないですね。春休み・夏休みなどの長期休暇があるのも魅力ですし、子どもが早く帰るので事務処理の時間もしっかり取れます。一方で保育園と比べると子どもと関わる時間は圧倒的に短く、先生1人に対する子どもの数(1クラス最大35人)は多くなります。またイベントや研修が頻繁にあり、最低限のピアノ技術を求める園も多いようです。
保育園と幼稚園、どっちを選ぶべきか。それはみなさんの働く目的やキャリアプランによると思います。自分は子どもたちとどう関わりたいのか。自分は何が得意で、何が好きなのか。将来どうなりたいと思っているのか。一度、整理した上で保育園・幼稚園のどちらが合っているかを考えてみてください。
私たち『ほいとも』では、保育園・幼稚園・認定こども園を合わせて、常に5000件以上の求人情報を取り扱っています。またキャリアアドバイザーが職場の選び方、働き方、将来のキャリアプランなどを一緒に考えていきます。「自分はどっちに向いてるんだろう」という人は、ぜひ一度、相談に来てくださいね。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

保育園?幼稚園?迷ったらぜひ!

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