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2023.04.05

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「企業主導型保育園は処遇改善手当の対象外」って本当ですか?

「企業主導型保育園は処遇改善手当の対象外」はウソ!

最近、転職相談のあった保育士さんから「企業主導型園での経験は、処遇改善加算の経験年数に含まれませんよね?」「企業主導型保育園って、処遇改善手当がもらえないんですね?」といった質問をよく受けます。どういうワケか「処遇改善は認可保育園だけのもの」という認識が広がっているようです。でもそれは誤解。この機会に処遇改善についての「正しい理解」を深めましょう。

知っている人も多いと思いますが、あらためて処遇改善の制度や仕組みを整理しておきます。処遇改善手当とは、その名のとおり保育士の処遇改善を図るために設けられた補助金です。2015年に法律が施行された「処遇改善Ⅰ・Ⅱ」に加え、2022年2月には「処遇改善臨時加算(処遇改善Ⅲ)」の支給もスタート。それぞれの支給対象などは以下のとおりです。
<処遇改善Ⅰ>
在籍する保育士全員の平均経験年数に応じて園に支給される補助金です。園はそれを個々人に月給への上乗せ、あるいは賞与として支給。正規職員に加え、1日6時間以上・月20日以上勤務のパート保育士も対象です。転職時にこれまでの在籍証明書の提出を求められるのは、園が平均経験年数を算出して申請をするためです。
<処遇改善Ⅱ>
キャリアアップ加算とも呼ばれますね。保育士は何年働いても、主任や園長といった役職に就かないとお給料が上がらない。そんな問題を解決し、若手や経験年数の浅い保育士にも給与アップのチャンスを与えるために設けられました。対象は経験3年以上で所定のキャリアアップ研修を受けた副主任までの保育士。こちらは月給への上乗せが義務付けられています。
<処遇改善Ⅲ>
少子高齢化+コロナ禍という厳しい環境で働く保育士の待遇改善を目的に、2022年2月〜9月の期間限定で「臨時加算」としてスタート。それが10月以降も「処遇改善Ⅲ」として支給され続けています。金額は月額9000円程度。正規職員だけでなく、契約社員やパート、派遣といった雇用形態の方も支給対象となります。
ただし、一時保育など通常保育以外を専属で担当している保育士さんは処遇改善の対象となりませんのでご注意ください。
いいえ、違います。そもそも保育士の処遇改善が認可保育園などへの補助金加算制度として導入されたため、企業主導型や認可外は「すべてにおいて対象外」という誤解が生じたようです。しかし文科省・厚労省から都道府県への通達では、処遇改善Ⅰに関して「認可外保育施設での経験も、補助額算出の基準となる『職員1人当たりの平均経験年数』に含む」とされています。そして認可外施設の例としてハッキリと「企業主導型保育施設」と書かれています。
それでも私たち『ほいとも』は念のために大阪市と堺市に「企業主導型などの認可外も、本当に処遇改善手当の加算対象になるのか」を直接聞いてみました。すると両市とも「企業主導型園や院内園を含む認可外施設であっても、基本的に各自治体が立ち入り調査をして、保育園として運営を許可している施設であれば、処遇改善加算の対象になります」との回答。だから「同じ経験年数の保育士でも、企業主導型は認可園より選考で不利」「企業主導型で働くと将来、認可園に転職したときの処遇改善手当が少なくなる」といったマイナス点はないのです。
これは「園による」というのが結論になります。認可保育園や認定こども園の保育士の処遇改善を目的とする制度ですから、企業主導型などの認可外は基本的には対象外。ただし、まったく同じ制度ではありませんが、企業主導型園でも運営補助の加算の一つに処遇改善が導入されていて、申請が認められれば助成金が下ります。そしてこの助成金は全額、保育士に支給することが法律で定められています。ポイントとなるのは、その園が申請をしているかどうか。申請していれば必ず処遇改善手当が出ます。園によっては国からの処遇改善費に自前で上乗せするところや申請していなくても独自の手当を設けているところもあります。ちなみに申請しないと補助金が下りないのは、認可園でも同じこと。つまり認可園ならどこでも処遇改善手当をもらえるとも限らないのです。そのため「園による」というのが答えになりますので、出る・出ないかは各園に確認するしかありません。でも「貴園は今年度、処遇改善の申請をされていますか?」とは、なかなか聞きにくいですよね。そんなときはぜひ『ほいとも』を利用してください。あなたに代わって改善手当自体の有無、いくら処遇改善加算があるのか、しっかりと踏み込んで問い合わせさせていただきます。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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