2023.04.19
転職コラム
保育士さんの年度途中の退職。慎重かつ円満な発言と行動を!
保育業界では年度途中の退職が「ご法度」といわれます。中には入社時の雇用契約書に禁止と書いている園もあるようです。でも結論からいうと、いつでも退職はできます。民法で「退職の意志を伝えてから2週間で辞められる」と定められていますから。ただし本当に辞めるべきかどうかは「慎重に」考え、辞める場合はできる限り「円満に」を心がけましょう。
なぜ「ご法度」とまでいわれるのか
いちばんの理由は担任制です。保育園では1クラスを複数名の保育士で受け持ちますが、例えば1〜2歳児なら「子ども6人に対し保育士1人」という国の基準ギリギリで人員配置をしているケースが少なくありません。だから誰かが年度途中に辞めるとなれば、急いで後任を募集・採用しないといけなくなり、そこには費用・時間・手間もかかります。園として、それを避けたいというのは当然といえば当然です。また保育士側も、「子どもたちが淋しがる」「他の先生に負担や迷惑をかける」「無責任だといわれる」といった理由で、年度途中には辞めにくいと思っている人が多いのです。それが「辞めちゃいけない空気」を生み出しているともいえます。
でもちょっと思い返してください。みなさんの小・中学生時代、年度途中で担任が代わったことはありませんでしたか。これまで働いてきた保育園で、年度途中で辞めた人はいませんでしたか。きっと1度くらい思い当たることがあるはず。でも誰かが辞めても、担任が代わっても、小・中学校や保育園が回らなくなることはありません。だから過度に責任を感じたり、絶対に辞めてはいけないと考えたりする必要はありません。
でもちょっと思い返してください。みなさんの小・中学生時代、年度途中で担任が代わったことはありませんでしたか。これまで働いてきた保育園で、年度途中で辞めた人はいませんでしたか。きっと1度くらい思い当たることがあるはず。でも誰かが辞めても、担任が代わっても、小・中学校や保育園が回らなくなることはありません。だから過度に責任を感じたり、絶対に辞めてはいけないと考えたりする必要はありません。
本当に辞めないといけないかどうか
辞めたい・転職したいと思う理由は人それぞれ。ただ、それが「本当に辞めないといけない事情」かどうかは慎重に考えるようにしましょう。例えば新卒保育士に多い「仕事が覚えられない」「子どもがなつかない」「保護者対応がうまくいかない」などは経験不足に起因し、他の園に転職しても解決しません。これらはまず先輩などに「悩み」として相談すべきです。
逆に結婚や夫の転勤に伴う引越し、家族の介護といった場合は、物理的に辞めざるを得ません。また、いまの環境で体や心の健康を損なう恐れがある場合も、退職・転職を考える必要があるかもしれません。「残業や持ち帰り仕事が多くて睡眠時間を取れない」「先輩からパワハラを受けている」「同僚から無視されたり、いじめられたりする」…。これらは転職によって改善・解決できる可能性があります。自分らしく健康的に働くために職場を変えるべきかもしれません。
逆に結婚や夫の転勤に伴う引越し、家族の介護といった場合は、物理的に辞めざるを得ません。また、いまの環境で体や心の健康を損なう恐れがある場合も、退職・転職を考える必要があるかもしれません。「残業や持ち帰り仕事が多くて睡眠時間を取れない」「先輩からパワハラを受けている」「同僚から無視されたり、いじめられたりする」…。これらは転職によって改善・解決できる可能性があります。自分らしく健康的に働くために職場を変えるべきかもしれません。
円満退職のために気をつけること
最終的に辞める決断をしたら、できるだけ円満に退職する準備が必要です。まず時期の問題。「民法で決まってるから再来週、辞めます」なんて大上段に振りかぶると元も子もありません。園が後任を募集・採用することも考慮して、退職の数ヵ月前に伝えるのが社会人としてのマナー。また運動会や生活発表会などの大きな行事の直前の退職も避けたいですね。
退職の意志を伝え、退職日が確定したら、他の先生や保護者にいつ・どう伝えるかを園長や主任と相談しましょう。保育園だよりで報告するのか、朝礼で発表するのか、そのあたりは園の習慣や方針に合わせるほうがいいでしょう。また子どもたちには「先生は他の園にお引越しすることになりました」など、やわらかい表現で話してあげましょうね。
もちろん「引き継ぎ」も大事です。受け持った園児一人ひとりのアレルギー、お気に入りの遊び、食べ物の好き嫌いなどを一覧にしたり、担当行事や係の仕事内容をまとめたり…。そして最終出勤日にはお世話になった先生・職員へのあいさつまわりも忘れずに、です。
退職の意志を伝え、退職日が確定したら、他の先生や保護者にいつ・どう伝えるかを園長や主任と相談しましょう。保育園だよりで報告するのか、朝礼で発表するのか、そのあたりは園の習慣や方針に合わせるほうがいいでしょう。また子どもたちには「先生は他の園にお引越しすることになりました」など、やわらかい表現で話してあげましょうね。
もちろん「引き継ぎ」も大事です。受け持った園児一人ひとりのアレルギー、お気に入りの遊び、食べ物の好き嫌いなどを一覧にしたり、担当行事や係の仕事内容をまとめたり…。そして最終出勤日にはお世話になった先生・職員へのあいさつまわりも忘れずに、です。
迷っている段階で、まず相談を!
私たち『ほいとも』としては、転職先を決めてから退職することをオススメしています。退職してから焦って転職先を探すと、希望を満たす園がなかなか見つからなかったり、仕方なく条件面で妥協しなければならないからです。
だからこそ、「本当に辞めたほうがいいのか」「年度途中での退社は転職で不利にならないか」「保育士の経歴にキズがつくのでは」…と迷っている段階で相談していただきたいのです。転職すべきかどうかのアドバイスから、転職先探し、円満退職の準備まで、みなさんの気持ちに寄り添ってサポートします。
だからこそ、「本当に辞めたほうがいいのか」「年度途中での退社は転職で不利にならないか」「保育士の経歴にキズがつくのでは」…と迷っている段階で相談していただきたいのです。転職すべきかどうかのアドバイスから、転職先探し、円満退職の準備まで、みなさんの気持ちに寄り添ってサポートします。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。