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2023.06.28

転職コラム

小規模保育園で働くかどうかは、職場の「リアル」を知ってから!

小規模保育園で働くかどうかは、職場の「リアル」を知ってから!

「アットホームで、一人ひとりの子どもとじっくり・ゆったり関われそうだから、小規模保育園で働いてみたい」といった転職希望をよく耳にします。でも応募するかどうかは、実際の職場環境を理解し、自分が小規模園に向いているかを考えてからのほうがいいと思います。『ほいとも』は保育士専門の転職エージェントですが、実は自社で小規模園も運営しています。そこで私たちだけが知る現場の「リアル」をお話しします。

園児数が少ないので、一人ひとりのことを把握して、「じっくり」向き合う機会は確かに多いです。でも、なかなか「ゆったり」とはいきません。小規模園では保育士の配置基準がクラス毎ではなく、全体で計算されることが多々あります。例えば0〜2歳児で定員19名の園の場合。年齢毎の人数にもよりますが、全体で保育士5人の配置。うち3人が0歳・1歳・2歳の担任で、残り2人が補助保育士となります。補助の保育士は担任の指示でいろんなクラスを飛び回り、バタバタすることが少なくありません。
また大きな施設ではクラス毎に保育室がありますが、小規模保育園ではスペースの関係でそうもいきません。ワンフロアをロッカーやパーティションで「仕切っているだけ」が多いのも小規模園の特徴。仕切りの向こうから常に別のクラスの音楽が聞こえていたり、2歳児が椅子取りゲームで盛り上がっているところから少ししか離れていない場所で、0歳児の午前睡で保育士が必死になって寝かしつけていたり…。早朝や夕方、園児が2~3人のときはゆったり関われるかもしれませんが、1日を通してかなり忙しく、バタバタしていることが多いのです。
開園時間は朝7時台から夜19時台くらいまで。これは一般の認可保育園とそんなに変わりません。でも小規模園は土曜も開園して園児を預るところがほとんど。さらに1人でも子どもがいると、2人の職員が園にいないといけません。それを少人数でシフトを組んで回すわけですから、早番・遅番、土曜勤務の頻度はどうしても高くなります。
また園長・主任を含め全職員がワンフロアにいて、いつも顔が見えるくらいの距離感で働いています。人間関係が良好なら本当にアットホームで抜群のチームワークが生まれます。でも性格や考え方は人によって様々。「誰とでも気が合う」というのは難しいですよね。もし人間関係がうまくいかなくなっても、小規模園に逃げ場はありません。そんな中でもやっていける自信と覚悟がないと、厳しいかもしれませんね。
正社員希望で、自分で保育内容を考え、自ら実践していきたいという人には小規模保育園が向いています。実際にクラス担任が「自分だけ」というケースが多く、保育計画などを一人で担うことになります。それが苦にならない、むしろそうしたいという人には、オススメの仕事環境だといえます。逆に「経験が浅いので一人では不安」「他の先生と一緒に考えたり教えてもらったりしたい」という人にはオススメできません。
またパート・派遣などで補助保育士として働く場合は、臨機応変な対応が求められます。状況次第でいろんなクラスに入り、いろんな年齢の子どもたちと接する。それを「大変」「しんどい」ではなく、「刺激や変化があっていい」と感じられる人なら、楽しくやっていけると思います。さらに補助保育士は仕事内容も多岐にわたり、雑務も多くなりがち。忙しい中でも優先順位をつけて、かつ担任の意図を汲み取りながらテキパキこなせる資質が、普通の保育園より必要とされるかもしれません。
小規模園のリアルなメリット・デメリット、ここまで読んであなたは自分に適性があると感じましたか? 『ほいとも』では、「私にピッタリ!」と思った人、「私には厳しい…」と受け取った人、どんな人の相談も大歓迎です。正社員からパート・派遣まで、小規模園から大規模園まで、常時5000件以上の求人を取りそろえ、専任のキャリアアドバイザーがあらゆる転職相談に親身になって答えますよ。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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