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2024.07.17

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保育園・幼稚園の「夏のイベント」のトレンドは?

保育園・幼稚園の「夏のイベント」のトレンドは?

七夕祭り、夕涼み会、夏祭り、サマーフェスティバル…。名称は様々ですが、多くの保育園・幼稚園が夏にイベントを開催しています。では各園では、どんな目的を持って開催しているのか。どんな出し物が人気なのか。保育士や保護者はそこにどう関わっているのか。最近のイベントの様子やトレンドを紹介します。

七夕、縁日、お盆などの日本の伝統行事や文化を子どもたちに伝え、親しんでもらうというのが夏のイベントの大きな目的です。甚平さんを着て参加する子がいたり、先生も涼しげな浴衣姿で雰囲気を盛り上げたり…。夏らしい出し物、飾り付け、演出で、子どもだけではなく大人も「日本の夏」を楽しめますね。
もう一つ「親睦」も重要な目的です。保育士と保護者、親同士など、夏祭りでは普段はできないようなコミュニケーションが生まれます。また園によっては地域の人や卒園児を招待することもあります。園の活動や存在を地域に理解してもらう。卒園した子たちが当時の先生と再会して交流を深める。これも大事な「親睦」ですね。こうした取り組みで園の認知度を高めると、それが新入園児の獲得にもつながるようです。
私たち『ほいとも』は大阪府下で5つの保育園を運営していますが、その一つ「箕面園」での実際の取り組みを紹介します。出し物は、スーパーボールすくい、輪投げ、ワニワニパニック、おばけめいろ(お化け屋敷)、ジュースコーナーなど。スーパーボールすくい、ヨーヨー釣りはどの保育園でも人気のようです。
さらに風鈴とうちわを作るワークショップを出店したり、抽選会でプレゼントを配布したり。お土産があると「帰ってからも話が弾む」「家で息子に夏祭りごっこをさせられた(笑)」、生活に利用できる物だと「使うたびに夏祭りを思い出す」と好評です。最後は遊戯室に集まってみんなで盆踊り。最高潮の盛り上がりで夏祭りフィナーレを迎えます。
こちらも私たちが運営する「日本橋園」での取り組みです。浪速区日本橋という土地柄、外国人の園児・保護者が少なくありません。だからコーナー名を英語でも表示し、出し物や飾り付けも「和+洋」にしています。例えばミラーボールでカーニバルのようなキラキラした雰囲気を演出したり、オシャレなカーテンや風船を使った撮影コーナーを設けたり…。こうした配慮は地域や保護者との親睦のためにも大事なことです。
ちなみにSNS全盛のいま、子どもたちのかわいい写真が取れる「フォトスペース」は全国的にトレンドになっているようです。また「思い出を持ち帰れるように」というのは箕面園と同じです。スタンプラリーで最後にお土産としてお菓子を渡しますが、手にした子どもたちの笑顔は万国共通ですね。
私たちの園ではドリンクだけの提供でしたが、園によっては保護者会の協力で、役員さんを中心に「夏祭り委員会」を立ち上げ、フランクフルト、かき氷、ポップコーンなどの屋台を出す場合もあるようです。ただフードを提供する場合は食中毒・アレルギー対策、関わる人全員の検便、保健所の許可などが必要でかなり準備が大変です。
最近は準備の負担、近隣への騒音といった問題で夏祭り廃止に踏み切る園もあると聞きます。でもこうした行事は子どもたちの楽しみの一つ。保育士の負担が大きすぎない範囲で、保護者の意見を聞き、地域の理解を得ながら、どんなカタチであれ長く続けられるといいですね。
もちろん「行事が大好きで準備も苦にならない」という保育士さんもいれば、「プール遊びなどと並行しての準備は避けたい」という保育士さんもいるでしょう。就職・転職する際にはどちらのタイプの人も、「どんな行事をしているか」を面接で確認しておくといいですね。そうすれば入社後に「行事が小規模でがっかり」「こんなに準備が大変だと思わなかった」とギャップを感じることもないはずです。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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