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2024.08.21

転職コラム

上がるの?下がるの? ベテラン保育士さんの転職後の給与!

上がるの?下がるの? ベテラン保育士さんの転職後の給与!

何歳以上とか経験何年以上とか明確な基準はありませんが、一般的に6〜7年目から中堅、10年を超えるとベテランと呼ばれるようになりますね。そんなベテラン保育士さんが転職を考える際、壁になるのが給与の問題です。転職で収入を減らしたくない。でもそんな好条件の募集はほとんどない…。その中で自分の価値や働き方をどう考えればいいか、実際の転職者の話を交え検証してみましょう。

例えば新卒で就職した園で10年ほど働いた場合、毎年の昇給、処遇改善、役職手当などで給与はかなり上がるはずです。でもそれは「いまの園でのキャリア」に見合った額であり、世間的な相場より少し高めになっていることが多いのです。一方、中途採用をする側の園は、他園で10年の経験があっても「ウチでは1年目」という認識。経験・スキルが未知数の人に、いまいる10年目と同等の給与を提示するのは、事業者として難しいというのが本音です。また応募資格を「経験3年以上」とする場合、給与は経験3年の最低保証額を明記しないといけないので、どうしても「22万円以上」といった表記になります。ここから経験10年ならいくらかを読み取るのは難しいですね。
ベテラン保育士さんがいまの給与を基準に仕事探しをしても「なかなか条件に合う募集がない」となってしまうのは、こういう事情があるからです。
私たち『ほいとも』は保育士専門の転職エージェントとして、これまでに数え切れない人の転職をお手伝いしてきました。もちろんベテラン層も少なくありません。これは一人のベテラン保育士さんの転職相談から転職が決まるまでの実話です。
その人は短大卒でちょうど勤続10年。当時の月給が28万円で、転職してもこの水準をキープしたいとのことでした。私たちはまず28万円の内訳を聞きました。すると基本給20万円、特殊業務手当1万1000円、処遇改善手当Ⅰ(主任手当)4万円、処遇改善手当Ⅲ9000円、残業手当2万円という内容でした。
そこで、転職で一般保育士として再スタートする場合、役職手当の4万円は除外して考えないといけないという話をしました。さらに本人から「残業しなくていいなら2万円はなくてもいい」という申し出もありました。だから28万円以上という条件を「22万円以上」と再設定。すると該当する保育園がいくつも見つかりました。
その人は最終的に「22万円以上」という保育園に応募しました。面接では経験が加味されて23万円という提示。28万円から5万円下がることに納得して転職しました。結果、前より家から近くなり、残業も一切ナシ。保護者対応も少なめ、主任というプレッシャーからも解放され、いま保育士という仕事をあらためて楽しんでいるそうです。そして「働きやすい環境で、自分が給与面より大事にしたかったことが分かりました」という声を寄せてくれました。
もちろん23万円で入社しても、ずっと23万円のままではありません。この保育園では皆勤手当1万円が別途支給されますし、保育士キャリアアップ研修を受講すれば処遇改善費も加算。数年後にまた意欲が湧いて主任になれば役職手当もつきます。意外と早く元の賃金を回復するかもしれませんね。
自分の給与内訳を見直すのと同時に、求人情報の給与表記もじっくり分析する必要があります。中でも「手当」については、月給に含まれるのか、別途支給なのか、一律にもらえるのか、どうすればつくのか、詳しく見ないといけません。もらえる手当を合算すると、いまの給与に近くなるというケースもありますから。
ちなみに『ほいとも』では、これまで採用のお手伝いでお付き合いのある保育園・幼稚園で、過去の内定者や園長に直接確認した給与モデルをもとに、求人情報には載っていない金額を伝えることもあります。また逆に「こういうキャリアを持った保育士さんが、25万円を希望しています」と園側に推薦することもあります。さらに「どうしてもいまの給与をキープしたい」という人には役職者限定の募集を案内したり、「給与より自分の時間を大事にしたい」という人には残業や業務負担の少ない園を紹介したりすることも…。
給与が上がる・下がるだけでなく、一人ひとりの希望に寄り添うサポートを行っていますので、転職を考える際にはぜひ一度、アドバイザーに相談してみてくださいね。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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