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2024.09.18

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保育園での「食育」、おもしろい活動や取り組みを紹介します!

保育園での「食育」、おもしろい活動や取り組みを紹介します!

園庭でミニトマトやキュウリを育て、みんなで収穫して給食で食べる。みなさんの保育園でも、そんな活動をしていませんか。生涯にわたって楽しく健康的な食生活を送るために、幼い頃からの「食育」の重要性はいうまでもありません。では実際、保育現場ではどんな食育が行われているのか。おもしろい取り組みを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

朝食ヌキ、お菓子しか食べないなどの食生活の乱れ、思春期の極端な痩せたい願望…。様々な食と健康の問題が生じる中、厚労省は「食べることは生きることの源であり、乳幼児期から豊かな食の体験を積み重ねていくことが必要」という観点から、保育園での食育の目標として、
①お腹がすくリズムの子ども
②食べたいもの、好きなものが増える子ども
③一緒に食べたい人がいる子ども
④食事づくり、準備にかかわる子ども
⑤食べものを話題にする子ども
上記の「5つの子ども像」を掲げています。

そして「保育園は1日の大半を過ごすところであり、そこでの食事の意味は大きい」とし、計画的・総合的に食育を行うことを推奨しています。もちろんどんな計画で、どんな活動をするかは各園の自由。独自の取り組みを行う園も少なくありません。
みんなで栽培した野菜を、みんなで料理して食べる。そんな体験も有効な食育です。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の「五感」を通して食に触れ、食に興味を持つことができます。
◆野菜の成長記録をつける
ただ栽培するだけでなく、葉が増えて花が咲いて実がふくらんで…という成長過程をポスターなどにまとめて掲示している園もあります。また採れたキュウリやナスの数を緑や紫のシールでグラフのようにし、収穫量を競うという園もあります。
◆まず買い出しから
近くの八百屋さんやスーパーに行って食材を買うところから調理を始めます。肉や野菜がどんな売り場に並んでいるのか。どうやって食材を選べばいいのか。それを先生と一緒に体験するのも大事な食育です。
◆魚の解体ショー
さすがにマグロは高価ですが、鮭や鰹で解体ショーを行っている園があります。切り身しか見たことがない子どもにとって、魚の顔を見るのは貴重な体験。捌きたての魚を園庭で焼くと、魚嫌いの子どももすすんで食べるそうです。
◆ふりふりバターづくり
生クリームをペットボトルに入れて振るだけなのでとても簡単。子どもたちは喜んでふりふりしますし、だんだん固まっていく様子に驚きます。自分でつくったバターをパンやホットケーキに塗って食べると、きっと美味しさも違いますね。
人が何かを食べることは「命をいただく」こと。そうやって「いただきます」の意味を学ぶのも食育です。ただし授業のように教えても子どもたちには届きません。興味を持ってもらうための工夫が必要ですね。
◆クイズ大会
クイズは子どもたちが楽しく積極的に学べる有効な手段。例えば「オムライス」「サラダ」「玉子かけご飯」などのメニューカードと、「ケチャップ」「マヨネーズ」「おしょうゆ」などの調味料カードを合わせるクイズ。ピーマンやオクラの切り口をスタンプにして、断面の形から何の野菜かを考えるクイズ。各園がいろんな形式で行っています。
◆工場やスーパー見学
これは企業の協力も必要ですが、食品工場やスーパーのバックヤードなどの見学も子どもたちに人気です。食品がどうやってできるのか、どんな流れで売り場に並ぶかを学ぶだけでなく、つくる人・売る人などがいることを知る機会にもなります。
◆紙芝居や動画
「お米ができるまで」の紙芝居、「正しい手洗い」「箸使いのマナー」といったアニメ動画など、ビジュアルで子どもたちの興味を引く工夫をしている園がたくさんあります。最近はネット上に無料で使える食育動画も増えていますが、先生が読み聞かせる紙芝居も根強い人気です。
保育園には0歳〜5歳の子どもがいます。まず年齢ごとの食育計画が必要です。3歳頃からはクッキングも可能になりますが、子ども一人ひとりのアレルギーの把握、包丁や熱を使う際の安全面の配慮、食中毒などの衛生対策は欠かせません。調理師や栄養士がいる園では協力を仰ぎ、できるだけ多くの大人で見守るようにしましょう。
お父さん・お母さん共に仕事をしている家庭が増え、なかなか「息子と一緒に買い物」「娘と一緒に夕飯の準備」「毎日、家族全員で食卓を囲む」といったことが難しい昨今、保育園での食育の意義が大きくなっています。子どもたちが食べることを楽しいと思えるように、そして将来、健康的でバランスのよい食生活を送れるように、みなさんの園でもぜひ食育を工夫してみてください。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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