2025.01.29
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導入する保育園も急増中!いま注目の「モンテッソーリ教育」って?
1900年代初頭にイタリアで生まれた「モンテッソーリ教育」。英国王室、元米国大統領、巨大IT企業の創業者、ハリウッド俳優、グラミー賞アーティストなど、世界的な著名人がこの教育を受けたことで知られています。日本でも将棋の若手プロ棋士が幼少期にモンテッソーリ園に通っていたことが話題となり、雑誌などで特集が組まれるようになりました。今回は人気と注目が高まるこの教育法を詳しく解説します。
「モンテッソーリ教育」の起源と理念
イタリアの医師・教育家のマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法です。彼女はもともと発達障がいを持つ子どもの知的水準を高める感覚教育に力を注ぎ、大きな成果をあげました。それを健常な子どもたちに応用するため、1907年に「子どもの家」を設立。そこで実践を通して子どもの観察を繰り返し、メソッドを築き上げました。
この教育法は「子どもは自分で学び成長する力(自己教育力)を持っている」ことを前提にしています。子どもは教えなくても自分で歩き、様々な動作を覚える。だから大人(教師者)は一方的な価値観で教え込もうとしてはいけない。子どもの興味や発達を正しく理解して「やってみたい」「触ってみたい」と思う環境を用意することが大人の役目。それが子どもの自発的活動を促し、自己教育力を発揮することに繋がる。これがモンテッソーリの基本理念です。
誕生から100年以上が経ち、いまでは世界140以上の国に実践園が広がっています。さらに現代の大脳生理学・心理学・教育学でも教育法としての「確かさ」が証明されているそうです。
「モンテッソーリ教育」、実践のポイント
<とにかく子どもを観察>
保育士の仕事は「観察者」としての側面が強くなります。子どもが何に興味を持っているか、どんな発達段階にあるか、何を求めているか、どんなことに喜びを感じるか、向き不向きはないか…。一人ひとりをよく観察して、よく知ることからスタートします。
<自立を助ける環境整備>
大人に指示されるのではなく、必要以上に大人を頼ることなく、子どもが自分でやりたい遊びや学習を選べる環境づくりが大切です。例えば年齢や発達段階に応じて自由に使えるアイテム(教材)を揃える、それらを整頓して常に使いやすい状態に保つ、学習に適した静かな空間など心地よい場を整える…という具合に。
<子どもの自主性を尊重>
保育士には無理に介入せず、子どもが自分で解決できるよう支援するという心構えが必要です。子どもは自分で決めて行動する経験を積むことで、自己肯定感や自信を高めます。まずは主体性に任せ、焦らず見守る。そして適切なタイミングで必要最小限のサポートを!
<「伝える」と「認める」>
この教育では叱ってしつけること、過度に褒めて伸ばそうとすることをよしとしません。「叱られるからやめる」「先生が喜ぶからこうする」という外的要因が主体的な判断を妨げるからです。叱るのではなく、なぜいけないかを伝える。褒めるのではなく、成果や成長を認める。そんな関わり方が求められます。
<社会性と協調性の育成も>
個々の自由を尊重しつつ、協調性や社会性を育むことも重んじるのがモンテッソーリ教育です。グループ活動を通じて、協力や役割分担を体験させることも大切です。
「モンテッソーリ教育」の教材
また「自由と制限」が絶妙なバランスで盛り込まれているのもモンテッソーリ教材の特徴のひとつ。自由選択できる活動の中で一定のルールも守らないといけない。この制限が子どもたちの集中力を高めます。最近では家庭用の教具・玩具も発売され、自宅でも気軽に実践できるようになりました。
「モンテッソーリ教育」の資格、実践園
■国際モンテッソーリ協会 https://www.montessori-training-japan.org/
■日本モンテッソーリ協会 https://japan-montessori.org/course1.html
■日本モンテッソーリ教育綜合研究所 https://sainou.or.jp/montessori/index.html
またモンテッソーリ保育園・モンテッソーリ幼稚園を標榜する園も全国的に増えています。最近は実践園を検索できるサイトも登場しています。
■大阪府のモンテッソーリ園一覧 https://montessori.style/osaka-montessori-map/
もちろん『ほいとも』でも実践園の求人情報を取り扱っています。何よりも子ども主体性を重んじる教育法に関心がある人は保育室・園庭見学なども可能です。ぜひ問い合わせてくださいね。
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。