2025.03.19
転職コラム
なかなか上がらない保育士給料…でもアップさせる方法はありますよ!
お給料が少しでも上がったら嬉しいけど、なかなか難しい。そんな保育士さんの話をよく聞きます。でもアップさせる方法がないわけじゃありません。国や自治体も保育士確保のために様々な制度や補助金を設定しています。特に「キャリアアップ研修」は、月々の手取りが数万円も増えることがあります。知っておいて損はありませんよ。
年数がかかっても主任を目指すのが王道
保育園には園長、副園長、主任、園によっては他に副主任といった役職があります。すぐになれるわけではありませんし、上のポストが詰まっていることもあります。また主任になれば保育計画の立案、新人の指導、園長の代理など仕事も責任も増えます。でも同じ園で長く働いて上を目指すというのが、将来の収入アップの王道かもしれません。
こども家庭庁の「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」によると、常勤保育従事者の月額給与(賞与や手当を含む年収を12等分した額)は、
【一般保育士】◆公立(平均勤続10.6年)36万5542円 ◆私立(同11.2年)34万8119円
【主任保育士】◆公立(平均勤続23.9年)56万4357円 ◆私立(同23.0年)47万3532円
【施設長】◆公立(平均勤続30.1年)64万3192円 ◆私立(同26.7年)58万1997円
勤続年数が違うので、単純に「公務員保育士は主任になれば月20万円増える」とはいえませんが、一般的には月4万円ほどの役職手当が付き、それが賞与額にも反映されるといわれます。
自治体の保育士支援制度を利用
例えば大阪市では、
【継続勤務支援】1〜7年目と、10・15・20・25年目に20万円支給(11年で最大220万円)
【借り上げ制度】園が借り上げた住宅家賃、1ヶ月最大6万6000円補助(採用後6年以内)
*詳しくは https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000382557.html
神戸市でも、
【採用一時金】1〜2年目に最大20万円、3〜7年目に最大20万円(7年で最大160万円)
【借り上げ制度】園が借り上げた住宅家賃、1ヶ月最大10万円補助(採用後7年以内)
【奨学金返済補助】奨学金の返還費用を月5000円まで補助(採用後7年目まで)
*詳しくは https://kobe-kn.jp/iine/
勤続支援や一時金は1年目からもらえるので、大阪なら月額換算1万6666円、神戸なら2万5000円、即増額となります。ただし、いずれの制度も細かな規定がありますので、必ず各市のサイトを確認してください。また大阪・神戸だけでなく、ほとんどの自治体が支援制度を設けています。「ここで働きたい」という市があれば、そのサイトも調べてみてくださいね。
「キャリアアップ研修」ならスキルもお給料もアップ
分野は(1)乳児保育、(2)幼児教育、(3)障害児保育 、(4)食育・アレルギー、(5)保健衛生・安全対策、(6)保護者支援・子育て支援、(7)保育実践 、(8)マネジメント。いずれも研修は15時間で、働きながら受講することもできます。
(1)〜(6)のいずれかを修了すれば、乳児保育リーダー、保健衛生・安全対策リーダーなど「職務分野別リーダー」としての発令を受けることができ、月額5000円の処遇改善対象となります。さらに保育士経験概ね7年、職務分野別リーダーを経験、4分野以上の研修修了という条件を満たせば「専門リーダー」としての発令を受けることができ、月額4万円の処遇改善対象となります。ただしリーダーの発令を受けて処遇改善が加算されるのは標準規模の園で3〜5人。全員が必ず対象になるわけではないので注意してください。
それでも専門スキルが身について、給与アップのチャンスもあって、1分野ごとに修了証が発行されて、それが全国どの都道府県でも有効です。受講しておいて損はありませんよ。下記のサイトでチェックしてみてください。
◆大阪府 https://www.pref.osaka.lg.jp/o090120/kosodateshien/careerup_hoiku/index.html
◆兵庫県 https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf11/carrerup_kenshu.html
◆京都府 https://www.pref.kyoto.jp/kosodate/syoguukaizen.html
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。