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2024.01.17

転職コラム

こども園勤務に必要な「幼稚園教諭免許」。1種、2種など、その種類と取得方法は?

こども園勤務に必要な「幼稚園教諭免許」。その種類と取得方法は?

現在、幼稚園や保育園の「こども園化」が進んでいます。認定こども園で働くためには基本的に「保育士資格」と「幼稚園教諭免許」の二つが必要となります。これから進学を考えている人には両資格の取得を、いま保育士資格だけで働いている人には追加で幼稚園教諭の取得をオススメします。まずは免許の種類や取得方法を詳しく見ていきましょう。

認定こども園が誕生したのは2006年10月。それから17年余の間に施設数は急速に増えていきました。内閣府の統計によると公立・私立を合わせて、2011年/762施設 → 2016年/4001施設 → 2022年/9220施設(各年4月1日時点)という具合。統計はここまでしかありませんが、2024年時点ではさらに増えているでしょう。言い換えると、それだけ保育園や幼稚園が減っているということですね。
認定こども園には「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」の4種があります。「幼保連携型」で働くには保育士・幼稚園教諭の両方が必要ですが、いまのところ他の3つでは保育士資格のみで働くこともできます。ただし担当できるのは0〜2歳児のみ。満3歳以上は「両資格を持つことが望ましい」とされています。また2022年時点の9220施設のうち、6475施設が「幼保連携型」。「他の3つ」は合計しても2745施設しかありません。保育や幼児教育の仕事に携わっていくためには、就業先として幼保連携型の認定こども園を視野に入れないといけませんね。
一般的に短大や専門学校の保育科などを卒業すると、保育士と幼稚園教諭の両資格を取得できることが多いですね。でもその場合の幼稚園教諭は「二種免許状」であることが大半。学校の種別や単位数により「一種」「専修」という免状を取得することができます。
<幼稚園教諭二種免許状>
修業年限2年・62単位が必要です。2年制の短大や専門学校で取得できますので、20歳で就職して早くから現場経験を積むことができます。また通信課程でも取得できますので、保育士として働きながら勉強している人も多いんです。
<幼稚園教諭一種免許状>
修業年限4年・124単位が必要です。修業4年ですから基本的に4年制大学を卒業しないといけません。教員養成課程でなくても、教員免許を取得できる学部であれば、取れる可能性が高いですね。ただ4年制と同等の教育を受けられる短大の専攻科でも取得できますし、二種から一種への切り替えも可能。二種免許で幼稚園教諭として5年以上の実務経験があり、自治体指定の養成機関の「免許法認定講習・公開講座・通信教育」で所定の単位を取得すれば一種免許を手にできます。
<幼稚園教諭専修免許状>
大学院修士課程を修了する必要があります。二種が「短大学士資格」、一種が「学士資格」であるのに対し、専修は「修士資格」。幼稚園教諭の中で取得条件が最も厳しい最上位資格といわれます。
<いずれも…>
取得には幼稚園教諭養成課程での所定科目の履修が条件になります。どの大学でどの免許を取得できるのか、文部科学省のサイトでチェックしてください。
文部科学省サイト:令和4年4月1日現在の教員免許状を取得できる大学
一種でも二種でも、就職や仕事内容に大きな差はありません。ただし短大卒・4大卒・大学院卒で、お給料の設定に多少の差はあります。少しでも給与アップを望むなら、一種の取得、一種への切り替えをオススメします。また公立・私立を問わず、二種では幼稚園の園長になれません。一種または専修免許が必要です。こども園では二種でも園長になれますが、必要な実務経験年数などの条件が一種・専修より厳しくなっています。将来、管理職を目指すなら一種以上を取得しておいたほうが有利ですね。
2022年7月には、教員免許の更新制度が廃止されました。従来、幼稚園教諭免許状・小学校教諭免許状・特別支援学校教諭免許状などは、いずれも10年毎の更新が必要でしたが、いまは一度取得すれば「一生モノの資格」になります。『ほいとも』の関連記事も参考に、ぜひ新規取得・追加取得・再取得を目指してください
ほいとも記事:幼稚園教諭免許の更新制廃止で、何がどう変わるの?
 
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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